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「マネー・マスターズ列伝」

マネーマスターズ列伝―大投資家たちはこうして生まれたマネーマスターズ列伝―大投資家たちはこうして生まれた
ジョン トレイン John Train 坐古 義之

日本経済新聞社 2001-11
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本書は、第1章から第17章までは1章につき1人、バフェット、フィッシャー、グレアム、リンチなど17人の優れたファンド・マネジャーを評価・分析し、最後の第18章「マネー・マスターズから学ぶ投資戦略」で優れたファンド・マネジャーに共通する投資戦略のエッセンスを抽出する、という構成になっています。

しかし、著名なファンド・マネジャーの投資戦略に学びたいという方にとっては、本書はあまりお薦めできません。
本書の最大の問題点は、「訳者あとがき」でも触れられているとおり、「著者の考えなのか登場人物の考えなのか、あるいは双方の合意事項なのかが微妙である」点です(なお、訳者はこの点をあまり問題視ししていません)。つまり、それぞれのファンド・マネジャーを紹介している部分に記載されている投資戦略の説明や市場等に対する評価などが、著名なファンド・マネジャーと著者のどちらの見解なのかが明らかにされていないということです。これでは、読者が「マネー・マスターズから学ぶ」ことはできません。

もう一つの問題点は、本書で取り上げていながら「マネー・マスターズから学ぶ投資戦略」と銘打った最終章では事実上無視されているファンド・マネジャーも少なくないという点です。
著者は、商品投資は危険なギャンブルであり、自分がよく知っている銘柄が不人気で割安なときを狙って購入し、株価の値動きに一喜一憂しない投資方法を薦めています。著者が薦める投資方法自体は真っ当ですが、ソロスやロジャース、スタインハートやウィルソンから著者が薦めるような投資方法が導かれないことは明らかです。

結局、本書は、一般投資家である読者が「マネー・マスターズ」から学ぶというより、著者が「マネー・マスターズ」から一般投資家が学ぶべきと考えるポイントを解説するもの。そして、著者が一般投資家に薦めているのは、上記のような企業価値に基づく長期投資です。
個人的には、企業価値に基づく長期投資がよいと考える方は、本書を読むより、グレアムの「賢明なる投資家」フィッシャーの「『超』成長株投資」「ピーター・リンチの株で勝つ」や、「バフェットからの手紙」「株で富を築くバフェットの法則」などを読んで偉大な投資家から直接学ぶことをお薦めします。
また、企業価値に基づく長期投資以外の投資方法を学んでみたい方は、「バフェットとソロス 勝利の投資学」や、シュワッガーの「マーケットの魔術師」シリーズの方がお薦めです。

とはいえ、本書は、優れたファンド・マネジャーの人柄やキャリアを知りたい人にお薦めです。例えば、本書では、「ピーター・リンチの株で勝つ」では見えてこないリンチの人柄などがよく分かります。また、バフェットに対する冷静な批判は新鮮です。同様に考えている人は少なくないと思いますけどね。
また、本書で著名なファンド・マネジャーを概観し、興味を持ったファンド・マネジャーについて掘り下げて(他の書籍で)勉強する、という使い方もできるかもしれません。私自身、本書を読むまで知らなかったファンド・マネジャーの人柄や投資戦略の概要が分かったのは収穫だと思っています。本書を読んで、バフェットと似たような発想で投資をしているファンド・マネジャーが他にもいることが分かりましたしね。

ただ、著者はソロスの章でも同様の批判をしていますが、私は、「バフェットの真価は・・・・技量の劣る投資家たちのポケットから、自分・・・・のポケットへ大量のお金を移管することに成功した、というのが本質である」という著者の批判が理解できません。私はそれこそが投資の本質だと思っているので。
そういう意味では、私は、オプション取引や商品取引を「博打」と切り捨て、「本物の投資に課せられた経済的な役割は、適正な見返りと交換に産業資本を提供すること」という著者の主張に同意できません。株式投資家にはこのような考え方が少なくないようですが、株式「投資」と他の「投機」を区別せんがための詭弁に過ぎないと思うんですよねえ・・


(参考)
本書の内容をもっと詳しく知りたい方は、「○田×男の個人投資家・株ポータル」の記事がお薦めです。
[ 2007/01/03 11:28 ] 読書感想文 | TB(1) | CM(4)

TBさせて頂きました

あけましておめでとうございます。
私も以前この本の感想を書いてますので、TBさせて頂きました。

私の感想も概ね空色さんと同じような感じです。この本に取り上げられている投資家について知るのであれば、本人の著作を読むべきだと思います。

ただ、投資を初めたばかりの頃の私とってはこの本は有名投資家を知るための読み物として大変面白かったと記憶しています。実際、私はこの本で初めてジョージ・ソロスやジム・ロジャーズを知りました。
[ 2007/01/03 19:10 ] [ 編集 ]

>Itoさん

本文中で紹介している「マーケットの魔術師」シリーズは、著者と各投資家(トレーダー)の一問一答スタイルを採っていて、各投資家の投資哲学等が本人の言葉で説明されています。これに対して、本書は、各投資家の投資哲学等を著者が解説する形になっているので、「マーケットの魔術師」スタイルを期待していた私としては「お前(著者)の意見なんか聞いてねーんだよ」とがっかりしてしまいました。

ただ、私も、投資を始めたばかりの頃に読むにはよい本だと思います。各ファンド・マネジャーの投資哲学等のポイントは抑えられているし、最終章で紹介されている「投資戦略」も正統派のものだと思いますし。
[ 2007/01/06 00:52 ] [ 編集 ]

あけましておめでとうございます

空色さん、こんにちは。

すみません、『マネーマスターズ列伝』は、古本店への売却はやめましたが、その後再読にいたっていません。

空色さんがおっしゃる「投資家列伝風のジョン・トレイン投資法なんじゃないの?」という読み取りかた、面白いですね。

ただ、一応ライターの端くれからすると、一問一答スタイルであれ、地の文での解説であれ、あるいは、著者の考えとして書かれているものであれ、登場人物の考えとして書かれているものであれ、いずれも著者の意図により取捨選択、編集されるものであると思います。そこは、誰が書こうとも同じだと思います。

もちろん、その上で、ジョン・トレインが前面に出すぎとか、まとめ方が嫌いということはおおいにある思いますが。

で、やっぱりあれだけの人数についての内容を編んだのは、鳥の目で見た投資法・思想を提示したかったんだろうなと、今は考えています。

まあ、これは読んでそう思ったというより、免努苦齋さんからいただいたコメントで考えたというだけです。なので再読すれば、またぜんぜん違うことを感じるかもしれませんけど。

では、今年もよろしくお願いします。


[ 2007/01/08 03:17 ] [ 編集 ]

>○田×男さん

コメントありがとうございます。

一問一答スタイルでも著者の意図が入るという指摘はそのとおりと思います。第一に、相手にどんな質問をするかというのがありますし、第二に、インタビューの内容をどのように編集するかというのがありますから。

私が本書をイマイチと思う理由は、○田×男さんのコメントをお借りすると、「トレインが前面に出すぎ」で「まとめ方が嫌い」ということです。最終章を読んでから各章を読むと、「おいおい、これは○○じゃなくてトレインの意見だろ」みたいな箇所が結構あるんですよね。
人物評やキャリアの紹介はよくまとまっているので、著名投資家ガイドとしては面白いと思いますけど。
[ 2007/01/08 10:16 ] [ 編集 ]

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『マネーマスターズ列伝』

『マネーマスターズ列伝―大投資家たちはこうして生まれた』 (ジョン・トレイン著)を読了。マネーマスターズ列伝―大投資家たちはこうして生まれたジョン トレイン John Train 坐古 義之 日本経済新聞社 2001-11売り上げ
[2007/01/03 18:55] URL The Intelligent Investor






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