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「株式投資の未来」

株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす
ジェレミー・シーゲル

日経BP社 2005-11-23
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ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来 永続する会社が本当の未来をもたらす」を読みました。
本書のエッセンスを簡潔に表すと次のようになります。
株式の長期的なリターンは、実際の増益率と投資家の期待との格差で決まる。この基本原則は、配当の再投資によって効果が増幅される。

市場価格(株価)には投資家の期待成長率(株価)が反映されていて、実際の成長率が期待成長率を上回れば株価が上がり、期待成長率を下回れば株価は下がるので、「リターンが実際の増益率と投資家の期待との格差で決まる」というのは当然です。
これは企業価値に基づく投資の基本的な考え方で、新しい発想ではありませんが、このことをデータと事例を用いて証明している点は素晴らしいといえます。


私は、本書の最大の意義は投資における配当再投資の威力を証明したことだと思います。私も、配当を再投資するかどうかでリターンにこれほど大きな差が生じるとは思っていませんでした
配当を含めて株式のリターンを考えているのが本書の特徴です。本書で紹介されているマッキンゼーの2人が値上がり益だけをリターンと考えたのと対照的です。
本書では、1871年~2003年の株式の累積リターンの97%は配当再投資が生んだもので、値上がり益はたったの3%であるとされています。もちろん、配当再投資は一種の「複利効果」なので、投資期間をせいぜい30~50年と考えた場合、株式のリターンに占める配当再投資の比率は97%よりかなり低くなります。しかし、大切なのはリターンに占める配当再投資の割合ではなく、配当を再投資することにより、値上がり益を大きく上回るリターンを手に入れることができるという点です。

本書は、単に理論を並べるだけでなく、それを豊富なデータと個別事例で丁寧に証明している点が素晴らしいです。読む価値のある本だと思います。

ただ、本書には明らかな欠点もあります。
私が考える本書の欠点は、次の4つです。
(1)「実際の成長率が投資家の期待を大きく上回る銘柄」の見分け方には触れられていない。
(2)バフェットに対する評価に強いバイアスを感じる。
(3)著者の説く「世界的解決」は独自のシナリオに基づいており、説得力が乏しい。
(4)第1部~第3部でインデックスの不利を主張しながら、第5部のポートフォリオではインデックスが中心的位置を占めている。

(1)は投資家の領分であるとしても、(2)について、配当再投資の必要性を説く章で、「バフェットは希有な投資家だから配当を払わなくてオッケー」という態度はどうかと思います。
また、著者はポートフォリオからバークシャー(バフェットの経営する企業)を「外せない」としていますが、この主張には反対です。バークシャーの収益の源泉はバフェットですが、そのバフェットは現在76歳。どう考えても、「長期投資」のポートフォリオに向く銘柄ではないと思います。

そんな訳で、読む価値のある本だとは思いますが、読むのは第1部~第3部で十分です。第4部・第5部を読む場合は、第1部~第3部とは切り離して、著者の個人的主張であることを理解したうえで読むことをお薦めします。


(参考)他のブログで掲載されている本書の書評です。
・Intelligent-investor.net
・成功者への道
・レフティドラゴンのバリュー投資日記
・長期投資に王道なし
[ 2006/12/07 23:21 ] 読書感想文 | TB(0) | CM(2)

この本

空色さん、こんにちは。
 僕もこの本は数少ない良書だと思います。最近出ている本を見ると、バリュー投資はあたかも2,3年で低リスク・高リターンが望めるような論調ですが、もしこの数年の日本株投資がその根拠なら、それは多かれ少なかれ市況が手伝ってのもの。本来、バリュー投資とはマクロ経済の動きをあまり考慮せずに、超長期保有するものだと私は考えています。
ただ、シーゲルの本は米国株をベースにしており、そこには米国と日本の企業体質の違い、配当利回りなどを含めた投資家に対する姿勢、M&Aなどの背景、など異なる点が数多くあります。そこは理解した上でこの本を読む必要がありますね。
 なお、シーゲルはこの本の前作では個別株投資を批判して、インデックス投資を推奨していた筈です。まだそのあたりのビジョンについて、筆者も明確でない部分があるのかもしれませんね。
[ 2006/12/09 20:05 ] [ 編集 ]

>よっしーさん

コメントありがとうございます。
シーゲルの前著は、本書と並んで本棚に置いてあるんですが、まだ読んでいないんですよね。シーゲル自身、この本を書くために調査したら「考えが変わった」と言っているので、いまさら読む価値があるのかどうか・・
[ 2006/12/10 00:33 ] [ 編集 ]

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