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ロジャー・ローウェンスタイン「最強ヘッジファンドLTCMの興亡」

1990年代に一世を風靡し、日本でも新聞紙上を賑わせたヘッジファンド、LTCM(ロングタームキャピタルマネジメント)の興亡を記したドキュメンタリー作品です。

最強ヘッジファンドLTCMの興亡 (日経ビジネス人文庫)最強ヘッジファンドLTCMの興亡 (日経ビジネス人文庫)
Roger Lowenstein 東江 一紀 瑞穂 のりこ

日本経済新聞社 2005-11
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本書は読者によっていろいろな読み方ができると思いますが、私が印象に残ったのは以下の2つです。

(1)レバレッジの危険性
本書では、レバレッジを効かせることにより、本来相関関係のなかった資産クラス同士の相関が高まる仕組みが非常に分かりやすく描かれています。
要は、レバレッジをかけた投資で失敗した場合、損失を穴埋めするために(失敗した投資とは全然関係のない)手持ちの資産を売却しなければならないということです。言われてみれば至極当然ですが、本書を読んで「分かりやすく書いてあるな~」と感心しました。

(2)効率的市場仮説の問題点
LTCMの最大の特徴の一つは、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者がメンバーとして参加し、ノーベル経済学賞を受賞した経済理論に沿って投資を行ったという点だと思います。
本書では、効率的市場仮説及び同説に基づいたブラック=ショールズ式について、例えば以下のような、さまざまな問題点が指摘されています。
・すべての市場参加者が完全情報を持っているわけではない。
・すべての市場参加者が常に合理的な判断をするわけではない。
・市場に常に「流動性」が存在するわけではない
・それぞれの株式のボラティリティは同一ではない
・計量できるリスクと「不確実性」は同一でない

本書で提示されている問題点についてここで個別に検討はしませんが、私のように効率的市場仮説に否定的な立場の者から見ると、主要な反論は網羅されているように思えます。
逆に、効率的市場仮説を支持される方々は、ここで提起された問題点についてどうお考えなのか興味があります。
個人的には、上記のうち「流動性」の問題などは、投資信託の買持ち以外の経験のない「投資家」にはぴんとこないかも、と思いました。

やや古い本ですが、「信用収縮」という点では現在の金融危機に似ていなくもありませんし、そもそも読み物として面白いので、未読の方はこの機会に読んでみることをお薦めします。

(注)本書は「天才たちの誤算-ドキュメントLTCM破綻」の文庫版です。文庫版になる際にタイトルが変更になったようですが、内容は同じなのでお間違えのないよう。(新書版と文庫版でタイトルの違う本をときどき見かけますが、紛らわしいので止めてほしいものです・・)

天才たちの誤算―ドキュメントLTCM破綻天才たちの誤算―ドキュメントLTCM破綻
Roger Lowenstein 東江 一紀 瑞穂 のりこ

日本経済新聞社 2001-06
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[ 2008/12/15 22:54 ] 読書感想文 | TB(0) | CM(0)

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