先週末に開催されたG7の行動計画が着実に実行され、週明けの株式相場は強気一辺倒ですね。先週までの悲観論が嘘のよう。株式市場は本当に興味深いです。
さて、
先日御紹介した、山口揚平著「デューデリジェンスのプロが教え『企業分析力』養成講座」を読みました。
本書は、冒頭で(1)デューデリジェンスとバリュエーションの違い、(2)バリューダイナミズム(企業分析の9つの視点)といった企業分析のガイダンスを行った後、ケーススタディとして9社の企業分析を紹介する、という構成です。
ケーススタディでは、バリューダイナミズムのそれぞれのポイントにふさわしい企業が選定されている上、分析内容もとても分かりやすくまとまっています。
ただ、個人的には、そのケーススタディで説明しようとしている視点に関する事項については割と詳しい解説がなされている一方で、それ以外の事項については、「どう考えているのか」については解説されているものの「なぜそう考えられるのか」という点についてはほとんど触れられていないような印象を受けました。
紙面の都合上仕方のないことなのでしょうが、全体的にもう少し詳しい説明がなされていたらもっと良かったのにと思いました。
また、本書は、初心者も念頭に置いて分かりやすく書かれている印象を受けるものの、やはり、P/LやB/S、C/Fの各項目が何を意味しているのかさえ分からないといった方が内容を理解するのはちょっと大変かなと思いました。
個人的には、
「ここで大事なのは、その企業の行く末を自分で考えてみること、そしてその結果を具体的な数字で表現するということである。この数字と株価を比較することは、仮説検証の訓練となる」
という文章がもっとも印象に残りました。
結局、会計を手がかりに企業の現状を把握したうえで、企業の将来を自分なりに一所懸命考えること、自分の考えた結果と現実を照らし合わせて自分の検証の問題点を反省し、それを糧に企業の将来に対する洞察力を高めていくことが必要なわけで、それ以外に方法はないわけですね。
本書は、前著ほどのインパクトはありませんし、前著と比べると難易度も高い(少なくとも初心者には向かない)とは思いますが、個別株投資に真剣に取り組もうという方なら読んで損はないと思います。
ところで、発売前の書籍をamazonで予約したのは本書が初めてでしたが、発売日当日に手元に届くんですね。ちょっとトクした気分です(笑)。
書評を頂き、誠にありがとうございます。
大変、参考になります。
本書の位置づけが、個人投資家、ビジネスパーソン、金融関係者と分散しているためか、空色さまのような知見のある個人投資家にはやや物足りなさを与えてしまったかもしれません。次回は、よりマニアックな企業分析レポート的な本を出しますので、引き続きご指導のほどよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
>空色さまのような知見のある個人投資家には
山口さんが(紙幅の都合上?)さらっと流して書いてあるところについて、「どうして(公表資料のどこをどう読めば)そう言えるんだろう?」と気になる箇所があちこちにありました。
これは別に山口さんの主張・分析が間違っているという意味ではなく、どこをどう読んだらそう言えるのかも書いてあったらなお良かった、端的に言えば、もう少し易しい内容の方が良かったということです。
知見のある方が書かれている書評ではそういう意見は見られないので、単に私が不勉強なのでそう感じるのだと思います(笑)
年末のセミナーも楽しみにしています。これからも頑張ってください。
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後でじっくり、読みたいと思います。レバレッジ君私が子ども手当を支持しない2つの理由お邪魔します。
思うに子ども手当の根底にあるのは「子供達のためだから」という「主観的な善意の絶対化」ではないでしょうか。それは「女性のため」という「選択的夫婦ブロガー(志望)私が子ども手当を支持しない2つの理由私も子供手当は反対です。理由は、今は景気回復に全力を尽くすべきだから
です。子供手当の経済波及効果は極めて低いです。福祉をやってる場合か?
今がどんな時期なのかこなつホテル・ルワンダ>あつまろさん
コメントありがとうございます。
フツ族とツチ族って、統治しやすいようにベルギーが体型や鼻の高さなどを基準に無理矢理2つに分けただけで、実際に空色ホテル・ルワンダホテルルワンダ、私も印象に残っている映画です。
ツチ族とフツ族は以前から小競り合いはあったと思いますが、
旧宗主国のベルギーがツチ族を優遇したことで、憎悪がわきあつまろ