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バートン・マルキール著「ウォール街のランダム・ウォーカー」

ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理
バートン マルキール 井手 正介

日本経済新聞出版社 2007-05-25
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名著として名高いバートン・マルキール「ウォール街のランダム・ウォーカー」。実はこれまで読んだことがありませんでしたが、昨年夏に原著第9版が出版されたのをよい機会に、遅ればせながら読んでみました。

個人投資家にとって最良の選択肢を提示しようという著者の熱意の伝わってくる良質の書籍ではあるものの、投資初心者が入門書として手に取るのが適当かどうかはやや疑問である、というのが個人的な率直な感想です。

ほとんどの個人投資家にとっては、ドル・コスト平均法を使ってインデックス・ファンドを買うことにより世界全体の株式や債券に分散投資することが最良の選択肢である
という本書の結論に異を唱えるつもりはまったくありません。
ただ、個人的には、例えば2000年代初頭の米国のITバブルも市場が効率的でない証拠にならないといったような主張にページが割かれているのをみると、学者が自説の弁明に必死になってつばを飛ばしているような印象を受けてしまいました。
また、私が本書を手に取ったのは、いまいち理解できなかった「効率的市場仮説」を理解したかったからでもあります。私は本書を読む前、「効率的市場」とは「すべての情報は速やかに(かつ正確に)反映されるため株価は常に適正である」という意味だと理解していたのですが、本書を通して読んでみると、まるで「株価はランダムで予測することが不可能だから効率的なんだ」と主張しているかのようにも受け取ることができ、「一体『効率的市場』ってナンなんだ」とかえって混乱してしまいました。

念のため断りしておくと、私は、本書の定義では「ファンダメンタル学派」に分類され、株式市場は「おおむね」効率的であると考えているものの、本書で紹介されているような「効率的市場仮説」には否定的ですので、私の意見は、特に「効率的市場仮説」を積極的に取り入れている個人投資家の方と比較して偏向しているかもしれません。

ただ、個人的には、これから投資を始めようという方のほとんどは、「ファンダメンタル学派」だとか「効率的市場仮説」学派だのといったこと学術的(?)な論争には興味がないだろうと思うので、本書は結論に至る過程が(少なくともこれから投資を始めようという方にとっては)やや専門的で冗長のような印象を受けました。

そういう訳で、個人的には、投資初心者の方には、本書より薄く、小さく、かつ面白い、橘玲氏の「臆病者のための株入門」の方をお薦めします。同書なら通勤電車の中で読みきれるでしょうし、結論として読者に推奨している投資手法は本書と同じ、インデックス・ファンド等を利用した世界分散投資です。

ところで、本書は「原著第9版」で、本書の第1版はまだ「インデックス投資」という概念が皆無であった30年以上も前に出版されています。本書が出版されていなければ個人投資家のインデックス投資環境は現在ほど恵まれていなかった可能性もありますので、本書のそうした歴史や成果を無視することはできません。
私はさきほど「やや専門的で冗長な印象を受けた」と書きましたが、当時の状況に思いをはせながら本書を読むと「本書の著者がここまで具体的かつ丁寧に説明を尽くしたからこそ、インデックス投資という投資手法が市民権を得てきたのかな」とも思います。

本書はむしろ、「臆病者のための株入門」を読んで金融経済学に興味を持った方が、その次に手に取る1冊としてちょうどいいかもしれません。
[ 2008/04/29 14:01 ] 読書感想文 | TB(0) | CM(0)

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