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メアリー・バフェット、デービッド・クラーク「億万長者を目指す バフェットの銘柄選択術」

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術
メアリー バフェット デビッド クラーク Mary Buffett

日本経済新聞社 2002-05
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有名個人投資家の中にも本書を薦める人が少なくないんだけど、私はこの本、好きじゃない。

本書はおおむね、前半(基礎編)が定性分析、後半(応用編)が定量分析となっていて、応用編の終わりには、御丁寧に「バフェット流投資のためのワークシート」として投資判断に必要な13のチェック項目がリストアップされていて、「自然とバフェットの思考プロセスを追っていけるように」(本書P187)なっている。
そして、13のチェック項目は、次のようになっている。

〔パート1〕企業分析
(1)その企業は消費者独占力を持っているか
(2)その企業の事業内容を理解しているか
(3)その企業の製品・サービスは20年後も陳腐化していないか
(4)その企業はコングロマリットか
(5)その企業のEPSは安定成長しているか
(6)その企業は安定的に高いROEをあげているか
(7)その企業は強固な財務基盤を有しているか
(8)その企業は自社株買戻しに積極的か
(9)その企業の製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか

〔パート2〕株価分析
(10)その企業の株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか
(11)株式の益利回りと利益の予想成長率を計算し、国債利回りと比較せよ
(12)株式を疑似債券と考え、期待収益率を計算せよ
(13)過去のEPS成長率をもとに計算する手法で、期待収益率を計算せよ


正直に言って、私にはこれがバフェットの思考プロセスだとは信じられない。なかでも一番気に入らないのは、(5)と(13)。EPSを重視して投資判断をしろというアドバイスをする輩に、バフェットの名をかたる資格はないと思うんだけど・・

本書は、内容が間違っているとは言わないけど、これを「バフェットの銘柄選択術」と銘打つのはどうかと思う。本書を読んだだけでは、第一のチェック項目である「消費者独占力」とは何かさえ満足に理解できないだろうし、パート2の株価分析については、ファイナンスの入門書に書いてあるような話で、書いてあることは間違いではないけど、バフェットの思考プロセスとは関係ないと思う。そもそも、バフェットは、普通株投資の場合、投資先の企業の稼ぐキャッシュをリターンだと考えているのであって、将来値上がりしたら売却して儲けようなんて思っていないと思うんだけど・・(裁定取引はこの限りでないけど、バフェットも裁定取引のときは「消費者独占力」とか「強固な財務基盤」なんて考慮していないだろうし)。

言葉は悪いけど、なるべく苦労をせずに手っ取り早くバフェットのように儲けたい個人投資家向けに書かれた、バフェットの投資手法の上っ面をなぞっただけの本だと思う。
本書の内容自体は間違っていないけど、本書を読んだところでバフェットの投資手法を学ぶことはできない。本署を読むくらいなら、訳者の井手正介先生が執筆している「ビジネスゼミナール 証券分析入門」の方が断然お薦め。非常に分かりやすいので、財務分析の基礎からしっかり勉強できる。本書で紹介されているバフェットによるマクドナルドの投資事例なども紹介されている。
また、やっぱりバフェットの投資手法を勉強したいなら、難しいけどローレンス・A・カニンガム「バフェットからの手紙」を読むべき。私はまだ本書を読みこなせていないけど、本書が理解できない限りバフェットは理解できないと思う。もう少し読みやすい本としては、ロバート・G・ハグストローム「株で富を築くバフェットの法則」がお薦めかな。

まあ、200ページ強の書籍を1冊読んだくらいで真似できるなら、株式市場はいまごろバフェットだらけになっているはず。結局、基礎からしっかり勉強するか、最大のコストパフォーマンスを誇るインデックス投資に徹するかのどちらかしかないと思う。株式投資は、素人が楽して儲けられるほど甘くはないってことかな(自戒を込めてね)。
[ 2007/06/24 20:14 ] 読書感想文 | TB(0) | CM(4)

その通り

こんにちは。
全く同意見です。空色さんとはかなり意見が合いますね。どうしてこの本を推薦する人が世の中にこんなにも沢山いるのか、サッパリ分かりません...。唯一良いところは、"出来る限り安く買え"と言っている点くらいだと思ってます。
 バフェットからの手紙は良い本だと思います。ただ、多くの人には難解すぎるし、"投資の実践"という観点から見ると、人々があの本からどれだけの利益に結びつく情報を吸収できるかなぁとも思いますが。
[ 2007/06/26 00:39 ] [ 編集 ]

>よっしーさん

おお、よっしーさんとは気が合いますね。

投資のスタイルは人それぞれだと思うので、すべての投資家が「バフェットからの手紙」を読む必要はないものの、バフェットに学びたいなら、難しいという理由で同書を避けてはいけないと思います。

「投資の実践」に役立つ本‥
私の場合、「バフェットからの手紙」で得たアイディアも実際に投資で役立っていますが、よっしーさんがこの文脈で言っているのはそういうことではないですよね。
よっしーさんが「投資の実践」に役立つと考えるのは、どんな本ですか?
[ 2007/07/02 09:24 ] [ 編集 ]

ふむ

まずご指摘の通りで、"バフェットからの手紙"は、真面目に投資をする人、企業経営/企業経営者に興味のある人は一読するべき書だと思います。

 空色さんが同書から実践へのアイディアを得られたというのは素晴らしいことだと思います。僕がこの文脈で言っているのは、他でも無い、そういうことです(笑)。
 要するに、"実践"というレベルにアイディアをブレイクダウン出来る人にはよいと思いますが、なかなかそうはならない人のほうが多いんじゃないかと思います。僕もそうですが(苦笑)。そういう意味で"実践的かな?"と思う訳です。

そういう意味では、実践的な本は沢山あります。しかし、その理論や実践が一般論として容易であればあるほど(これも多分ミソ)、一般的に言えばそれらにはそれほど価値が無いだろうとも思います。
[ 2007/07/02 23:36 ] [ 編集 ]

>よっしーさん

>>そういう意味では、実践的な本は沢山あります。しかし、その理論や実践が一般論として容易であればあるほど(これも多分ミソ)、一般的に言えばそれらにはそれほど価値が無いだろうとも思います。

仰ることはよく分かります。たぶん私も同じ意見(笑)
誰でも簡単に真似できる「実践的」なものには何の価値もないと思うのですが、そういうものに対する需要もあるんでしょうね。

ちなみに、私は、同書から得たアイディアを「実践」というレベルまでブレイクダウンできてはいません。たぶんバフェットが言っているのはこういうことで、そのためにはこういう観点からの分析が必要なんだろうなと、自分なりに考えながら自分の投資スタイルを作っていくというか、そんな感じです。うまく文章にできなくてすいません・・
[ 2007/07/10 00:45 ] [ 編集 ]

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