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投資と投機、投資とトレード(1)

一般的に、投資に対峙すると考えられている概念として、「投機」と「トレード」があります。
そして、「投資」と「投機」は相反するものであり、投資はよい(賢い)行為、投機は悪い(愚かな)行為であり、「投機」と「トレード」がいずれも投資に対峙する概念と考えられているために投機=トレード=悪い行為という図式が成り立っているように思います。

個人的に、上記のような考え方の基礎となっているのは、証券分析の祖・ベンジャミン・グレアムの次の言葉ではないかと思っています。

投資とは、詳細な分析に基づいたものであり、元本の安全性を守りつつ、かつ適正な収益を得るような行動を指す。そしてこの条件を満たさない売買を投機的行動であるという。

ベンジャミン・グレアム「新賢明なる投資家 上」P52

グレアムが「賢明な投資家」であることは論を待ちませんが、グレアムの考え方を根拠に、テクニカル分析が「投機」で、グレアムを見習って財務分析的アプローチをしている自分がやっているのは堅実な「投資」だ、という考えはちょっと疑問です。

もちろん、自分は長年財務分析的アプローチで投資をしていて、大きく儲けているという人は、胸を張って「自分は賢明な投資家だ」と言ってもいいでしょう。
しかし、元本割れをしている人はもちろん、元本を維持するのが精一杯な人、リスクと労力に見合った収益を得られていない人(ちなみに、インデックスに投資すれば、労力をかけずに市場平均と同じ収益が得られます)は、グレアムの定義によれば「投資」の条件を満たしていないので、「投機」をしていることになります。

また、ジョージ・ソロスは、グレアムの対極に位置するような投資家ですが、長期にわたって市場平均を上回る収益を得ています。このソロスに対して、「あなたのやっていることはリスクが大きいので、『賢明な投資家』を読んで勉強した方がいい」と言えるだけの実績のある人はほとんどいないと思います(トラックレコードを比較する限り、ソロスはバフェットを上回っています)。少なくとも、大多数の「バリュー投資家」(もちろん私も含みます)よりもソロスの方がよほど「賢明」に見えるのは私だけでしょうか。

中には、ソロスが勝てたのは幸運だったからに過ぎない、という人がいるかもしれません。確かにその可能性はありますが、もしそうだとすれば、グレアムの実績も幸運だったからに過ぎないかもしれませんし(実際、効率的市場仮説の熱心な信奉者の中には、バフェットの成功も幸運の賜物と主張する人もいるそうです)、それに反論するなら、ソロスの実績は幸運の賜物で、グレアムの実績は能力の賜物であることを論証しなくてはなりません。

つまり、私が言いたいのは、財務分析的アプローチを「賢明な」投資手法しているからといって自分が「賢明な」投資をしていると考えるべきではないということです。問題は、財務分析的アプローチを採っているかどうかではなく、適切に企業を分析できているかどうかだと思います。なぜなら、どんなアプローチを採っているにせよ、投資の目的はお金を殖やすことであり、自分の「分析」が間違っていたら自分のお金を失うことになるからです。

私は、投資家は上記のグレアムの言葉より、マックス・ギュンターの次の言葉に耳を傾けるべきだと思います。自分の「投資」が危険なギャンブルであるという事実を認めてこそ(リンチも、株式投資にギャンブル的な側面があることを認めています)、真剣に投資に臨めるんじゃないかな~と思います。

すべての投資は投機である。唯一の違いは、ある人はそれを認め、ある人はそれを認めないということだ。・・・・すべての投資は投機なのだ。あなたは、お金を入れて、イチかバチかやってみる。GMだろうが、ほかのどんな銘柄であろうが、あなたは投機家なのだ。それを認めても何の問題もない。自分をごまかそうとすることは意味がない。刮目してその事実を認めたときに、初めて世界をよりよく理解できるはずだ。
マックス・ギュンター「マネーの公理」P31,33


(2007.5.8 一部修正)
[ 2007/05/03 20:18 ] 投資全般 投資哲学 | TB(1) | CM(6)

興味深いテーマですね。
私には、時が経てば経つほど、投機も投資も同じものに見えてきています。結局金儲けなのですから、リスクリターン比率が高く、その人の性格にあっていればなんでも良いのではないかと。

 ソロスやジムロジャースは恐ろしく賢明な人でしょう。ただ、グレアムやバフェットとは少々性格が異なるみたいですが。
ソロス曰く
「相場も人々も常に間違っている。しかし、間違いが多数になりコンセンサスが出来上がるとそれが一時的に正しいものになる。相場で儲ける唯一の方法は人々の間違いに便乗し、人々が間違いだと気づく前に飛び降りることだ」
と。
 間違って安く放置されている銘柄を買うことと、間違って株価が上昇しているもので儲けることと、私にはそれほどの差があるとは思えません。両者ともに、間違っている人が損をして、正しい人が得をしているということであり、違いはどこでその甘い蜜を吸っているかということだけしか無いだろうと思うのですけどね。
[ 2007/05/06 01:09 ] [ 編集 ]

>ソロスが勝てたのは幸運だったからに過ぎない
>バフェットの成功も幸運の賜物
どちらも事実だし、本人も否定はしないんじゃないかと思います。

個人的には賢明な投資というのは「幸運を辛抱強く待ち続ける」「幸運を逃さず捕まえる」ことだと思っています。
具体的にどうやって捕まえるかは人それぞれですが。
[ 2007/05/06 02:15 ] [ 編集 ]

私は難しいこと考えるのが苦手なので、
 投機…利ザヤのみに注目
 投資…企業の事業内容にも目を向ける
とシンプルに考えています。
また、両者の一番の違いは、それが投資ならば、
得られた知識や経験を仕事など他分野で応用し、
収入が得られるってところだと思ってます。
[ 2007/05/06 14:57 ] [ 編集 ]

>よっしーさん
個人的には、自分たちが金儲けのために株式その他の資産を売買していること自覚している分、「投機家」の方が潔いよな~と思います。それに比べて、「投資家」の多くは、金持ちになりたいから投資しているくせに、「リスク資本を提供する」とか「頑張っている企業を応援する」とか、自分の行為を美化(正当化)しているのがどうかな~と思います。

>アルビレオさん
ええと。アルビレオさんのコメントには賛成です。たぶん言葉の定義の問題だと思うので、「幸運の賜物」を「偶然の賜物」と置き換えれば私の言いたいことは伝わるでしょうか?

>まろさん
株式投資だけを念頭に置いている限りはそれで問題ないのですが、その理屈を突き詰めると、企業の区分所有権としての株式だけが賢明な「投資」で、通貨や債券、不動産、商品など株式以外の投資対象への投資はすべて愚かな「投機」ということになりかねません。
でも、個人的には、株式だけでなく、株式以外の投資対象への投資でも「賢明なもの」と「そうでないもの」があると思っているので(例えば、バフェットの普通株投資は賢明な投資で、裁定取引や商品、ジャンク債、通貨への投資は愚かな投機なのだという区別が適当とは思えません)、そうすると、投資という行為全般に共通する「賢明なもの」と「そうでないもの」の境界線は何なのだろうというのが私の興味です。
[ 2007/05/08 01:05 ] [ 編集 ]

 空色さん、私へのコメント、まさに"我が意を得たり"です。だから私は自分のブログで、"で、割安って何?"っていう話を始めてみたりしたのです。"バリューって何?"っていう議論も以前ありましたけどね。

 ちなみに、私としては、リスクリターン率が高いものが"賢明な投資"ですかね。何しろ目的は"金儲け"なのですから。トップダウンもボトムアップもチャーチストもヘッタクレも、手法の違いなんて究極的にはあまり意味が無いと思っています。更に言えば、その人個人の主観に基づく"適正"があるので、客観的な"賢明さ"の定義はちょっと難しいかなぁと思います。
[ 2007/05/09 00:12 ] [ 編集 ]

>よっしーさん

>私としては、リスクリターン率が高いものが"賢明な投資"ですかね。

私は、「賢明な投資家」は存在するが「賢明な投資手法」は存在しない、と考えています。たぶん意図するところはよっしーさんと同じかな~と。



[ 2007/05/10 23:53 ] [ 編集 ]

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