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森生明「MBAバリュエーション」

MBAバリュエーションMBAバリュエーション
森生 明

日経BP社 2001-10
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山口揚平著「なぜか日本人が知らなかった 新しい株の本」の巻末にお薦めとして挙げられていたので読んでみました。

本書は、「『企業価値』とは何か」「『企業価値』はどうやって決まるのか」を平易に解説したファイナンスの入門書です。ファイナンスの本というと大学教授が書いた理屈と数式の並ぶ退屈な本を連想しがちですが、本書は、著者が実際に外資系金融機関等でM&A業務に携わっていたということで、理屈に流れることなく実践的な内容となっています。

本書は、「基礎編」と「応用編」の二部構成となっています。
「基礎編」では、CF、割引率・期待収益率、DCF、CAPM、β、EBITDAなどのファイナンスの基礎知識がとても分かりやすく説明されており、「応用編」では、「基礎編」で学んだファイナンスの知識を踏まえて、どのようにして企業価値を算定するのかが具体例を交えて分かりやすく説明されています。また、索引がしっかりしているほか、巻末にはファイナンス用語集も収録されており、非常に使い勝手がよいです。
株式投資に企業価値評価のアプローチを採り入れたい方は必携の書です。

著者は本書を通じて、企業価値は
PV = C/(r-g)
というDCF法の基本式で算定されると説明しており、企業業績や金利が株価に与える影響も、この基本式と絡めて明快に説明されています。

しかし、私が普段の投資で実感していますが、上記の算定式はCやr、gをどう置くかで算定される企業価値が大きく違ってしまうため、投資家の主観に影響を受けやすいという欠点があります。

この点は本書でも指摘されていて、著者は、DCF法だけでなく、類似会社や類似取引との比較等、多面的な検討によって企業価値を算定することを薦めています(何を基準に「類似」と判断すべきかについても検討されています)。また、著者は、M&Aを行う動機や立場等によって、「適正」な企業価値が異なり得ることも説明されています。

本書を読んで思ったのは、企業価値は、数学的な計算によって正解が導かれる類のものではなく、ファイナンスは、学問の世界はともかくM&Aの現場では、妥当と考えられる金額を検討したり議論するためのツールに過ぎないのではないかということです。その意味で、著者がファイナンスを「道具」「共通言語」と表現しているのは、「まさに言い得て妙だな」と思います。

私が本書で一番印象に残っているのは、その名もずばり「米国投資銀行の現場は算式よりアートな世界」というコラムです。担当物件のリスクプレミアムがアナリストの「相場観」で決まったという著者が経験したエピソードが紹介されているんですが、結局最後はそこに行き着くのかと、妙な共感(?)を覚えました。

やっぱり、投資はアートなんですね。


〔参考〕
本書の書評が掲載されているブログです。
・金融日記
The企業年金BLOG
[ 2007/04/06 22:11 ] 読書感想文 | TB(2) | CM(2)

こんにちわ。すばらしいブログですよね。
私は某証券会社勤務で3年目になります。
「今日の収益はどれだけできた?」ではなく、
「今日はどれだけいいアドバイスができた?」
と顧客第一の環境を維持してます
私のブログでも顧客第一としています
こちらのブログのようにすばらしいブログにもしたいです
よろしくおねがいします
[ 2007/04/08 19:26 ] [ 編集 ]

>木下義孝さん

>私のブログでも顧客第一としています

私のブログに顧客はいませんし、読者第一にしているつもりもありませんが‥
‥ひょっとして、褒め殺し?
[ 2007/04/09 21:50 ] [ 編集 ]

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