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ジム・ロジャーズ著「冒険投資家ジム・ロジャーズ 世界大発見」

冒険投資家 ジム・ロジャーズの世界大発見冒険投資家 ジム・ロジャーズの世界大発見
ジム・ロジャーズ 林 康史 望月 衛

日本経済新聞社 2003-11-12
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偉大な投資家であるジム・ロジャーズが執筆した旅行記。当ブログでも過去に紹介した「大投資家ジム・ロジャーズ 世界を行く」の続編に当たります。
前著では、ジムはバイクで10万kmを走破して世界一周を達成しましたが、本著では改造メルセデスで15万kmを走破して再び世界一周を達成しています(どちらもギネスブック記録)。

基本的な造りは前著と一緒。旅行中の出来事やそれぞれの国の現状や歴史、将来の見通し等が雑然と綴られています。前著と違うところといえば、冒険旅行の旅程、バイクが改造メルセデスに変わったこと、それに連れて行った美女が変わったことでしょうか(ちなみにジムは旅の途中、2000年1月1日に英国で結婚式を挙げています。)。

旅行譚としての魅力は健在です。個人的には、前著と比べるとドラマチックな事件は少ないような気がしますが、それぞれの国の特徴がよく伝わってきます。
個人的に興味深かったのはインドです。私も以前、インドを旅行したことがありますが、本書でジムが指摘しているように、各地域がばらばらで民族対立も激しく、道路や電気といったインフラも脆弱です。
インドはいま、成長著しい新興国と考えられていますが、この国が本当にこのままの勢いで成長を続けられるのか個人的にちょっと疑問を持っていまして(もちろん途上国なので成長の余地は大きいのですが)、財務諸表を読まずに企業に投資するのが危険なように、その国の実態を知らずに外国に投資するのも危険かなと思いました。
北欧諸国や韓国についての指摘も興味深かったです。

日本についての指摘も鋭いなと思いましたが、寿司(シャリ)があるのにライス(白米)は出せないと主張する店員を日本の硬直性の一例として取り上げるのはちょっとどうかなと思いました。お店によっては、寿司めしはあるけど白米はない、という事態は十分に考えられるので。
まあ、もしかしたら外国人の方にとっては、酢と砂糖で味付けがしてあるだけで、寿司めしも白米も同じなのかもしれませんけど・・

全体として、それぞれの国の歴史や政治経済に関するジムの洞察を通じて、ジムの投資に対する姿勢や考え方を知ることができますので、実際に彼と同じようなスタイルで投資をするかどうかにかかわらず、積極的に投資をしようという方にはお薦めです。

また、先日紹介した「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術」の橘玲氏もジムの著作には影響を受けていると思うので、別に投資や投資家としてのジムにそれほど興味がない方でも、同書を読まれた方は一読してみるのもいいかもしれません。
そのときは、本書では前著のエピソードがときどき紹介されますし、それぞれの国に対するジムの評価を前著と本著で比較しても面白いですので、まず前著を読んでから、本著に取り掛かることをお薦めします(そして、もし前著が面白くなかったとしたら、本著は読む必要がないと思います)。


余談ですが、前著の原題が「investment biker」であったのに対し、本著の現代は「adventure capitalist」となっています。ウォーレン・バフェットの生涯を描いた「ビジネスは人なり 投資は価値なり」の原題は「the making of an American capitalist」なんですが、バフェットやジムのような投資家は「investor」ではなく「capitalist」と呼ぶのでしょうか。
詳しい方がいたら教えてください。
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[ 2008/04/30 22:33 ] 読書感想文 | TB(0) | CM(0)

バートン・マルキール著「ウォール街のランダム・ウォーカー」

ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理
バートン マルキール 井手 正介

日本経済新聞出版社 2007-05-25
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名著として名高いバートン・マルキール「ウォール街のランダム・ウォーカー」。実はこれまで読んだことがありませんでしたが、昨年夏に原著第9版が出版されたのをよい機会に、遅ればせながら読んでみました。

個人投資家にとって最良の選択肢を提示しようという著者の熱意の伝わってくる良質の書籍ではあるものの、投資初心者が入門書として手に取るのが適当かどうかはやや疑問である、というのが個人的な率直な感想です。

ほとんどの個人投資家にとっては、ドル・コスト平均法を使ってインデックス・ファンドを買うことにより世界全体の株式や債券に分散投資することが最良の選択肢である
という本書の結論に異を唱えるつもりはまったくありません。
ただ、個人的には、例えば2000年代初頭の米国のITバブルも市場が効率的でない証拠にならないといったような主張にページが割かれているのをみると、学者が自説の弁明に必死になってつばを飛ばしているような印象を受けてしまいました。
また、私が本書を手に取ったのは、いまいち理解できなかった「効率的市場仮説」を理解したかったからでもあります。私は本書を読む前、「効率的市場」とは「すべての情報は速やかに(かつ正確に)反映されるため株価は常に適正である」という意味だと理解していたのですが、本書を通して読んでみると、まるで「株価はランダムで予測することが不可能だから効率的なんだ」と主張しているかのようにも受け取ることができ、「一体『効率的市場』ってナンなんだ」とかえって混乱してしまいました。

念のため断りしておくと、私は、本書の定義では「ファンダメンタル学派」に分類され、株式市場は「おおむね」効率的であると考えているものの、本書で紹介されているような「効率的市場仮説」には否定的ですので、私の意見は、特に「効率的市場仮説」を積極的に取り入れている個人投資家の方と比較して偏向しているかもしれません。

ただ、個人的には、これから投資を始めようという方のほとんどは、「ファンダメンタル学派」だとか「効率的市場仮説」学派だのといったこと学術的(?)な論争には興味がないだろうと思うので、本書は結論に至る過程が(少なくともこれから投資を始めようという方にとっては)やや専門的で冗長のような印象を受けました。

そういう訳で、個人的には、投資初心者の方には、本書より薄く、小さく、かつ面白い、橘玲氏の「臆病者のための株入門」の方をお薦めします。同書なら通勤電車の中で読みきれるでしょうし、結論として読者に推奨している投資手法は本書と同じ、インデックス・ファンド等を利用した世界分散投資です。

ところで、本書は「原著第9版」で、本書の第1版はまだ「インデックス投資」という概念が皆無であった30年以上も前に出版されています。本書が出版されていなければ個人投資家のインデックス投資環境は現在ほど恵まれていなかった可能性もありますので、本書のそうした歴史や成果を無視することはできません。
私はさきほど「やや専門的で冗長な印象を受けた」と書きましたが、当時の状況に思いをはせながら本書を読むと「本書の著者がここまで具体的かつ丁寧に説明を尽くしたからこそ、インデックス投資という投資手法が市民権を得てきたのかな」とも思います。

本書はむしろ、「臆病者のための株入門」を読んで金融経済学に興味を持った方が、その次に手に取る1冊としてちょうどいいかもしれません。
[ 2008/04/29 14:01 ] 読書感想文 | TB(0) | CM(0)

2軒のベーカリーに見る「経営の勘所」

相互リンクさせていただいているcpainvestorさんのブログで、「2軒のベーカリーに見る『経営の勘所』」という記事が掲載されていました。記事の内容は、大まかに言えば、いずれもcpainvestorさんの自宅の近所にある、繁盛しているベーカリーAと、閑古鳥がないているベーカリーBを比較・検討し、ベーカリーBを立て直すための経営の改善策を検討するというものです。

基本的なコスト削減策等はcpainvestorさんが既に記事の中で紹介されていますし、いろいろな方がいろいろなコメントを寄せていますので、私は別の観点からアイディアを出してみました。それは、
部活帰りの中高生(←ここがポイント)を対象に格安販売する
というものです。

中高生は食べ盛りですし、部活帰りにはお腹が空いているもの。私の経験では、部活の後はよくパンやお菓子を買い、それを食べながら友達と帰り道を歩いた記憶があります。せっかく通学路に面しているのですから、この「マーケット」をみすみす見逃すのは得策ではありません。

「青春応援セール」などと銘打って中高生限定・時間限定でセール販売を行うのであれば店舗の高級路線はそれほど損なわれないでしょうし、うまくいけばちょっとした話題づくりになるかもしれません。

また、店舗の前を通る中高生の多くは店舗の営業圏内に住んでいるものと考えられます。パンを食べた学生が家に帰って家族に「学校帰りに安くておいしいパン屋がある」という話をすれば、営業圏内の消費者層(中高生の保護者)への認知度アップも期待できます。金曜日の夕方には、商品と一緒に翌朝の広告チラシを買い物袋に入れるなどという小技も使えそうです。

個人的には、このアイディアはかなり気に入っていますが、どうでしょう?

なお、当然のことながら、このアイディアは、「ベーカリーBのパンは本当はおいしいんだ」という前提の上に成り立っています。

ところで、このcpainvestorさんの記事を読んで、企業分析とは、その企業のビジネスについて自分なりの仮説を立て、それを財務諸表やさまざまな指標の数字によって確認するというプロセス(企業のビジネスをおおまかに理解する方が先決)で、その部分を端折って数字だけを追いかけても意味がないんだなと改めて感じました。この話はまたいつか。
[ 2008/04/23 22:04 ] 投資全般 | TB(0) | CM(0)

橘玲「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術」

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術黄金の扉を開ける賢者の海外投資術
橘 玲

ダイヤモンド社 2008-03-07
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橘玲さんの著書は本書が初めてでしたが、とても面白かったです。海外投資のイロハを勉強したいという方には向かないかもしれませんが、投資の世界を概観する上では参考になりますし、何より、読み物として面白いので一読をお薦めします。

私が本書を気に入った最大の理由は、本書が「旅行者」の視点で書かれていると感じることです。個人的に、「旅行」と「投資」は「冒険」という概念でつながっていると考えています。自分だけを頼りにまだ見ぬ世界に足を踏み出すという点で、投資と旅行には共通点があると思うのです。

著者は本書の中で、ジム・ロジャーズを「個人投資家のひとつの理想の姿」だと評価しています。この点についてまったく同感です。そして、本書を読むと、ジム・ロジャーズのような生き方は実は簡単なんじゃないかと思えてきます(もっとも、本書のどこまでがノンフィクションで、どこからがフィクションなのかは分かりませんが。)。
私が本書を手に取ったのは、最近の円高(正確には米ドル安ですが)でようやく海外投資を始めてもいいかなと思い始めたからなんですが、本書を読むと海外へ旅行して現地で証券口座を開設することがさも簡単なことのように思えてきて、いっそのこと海外口座を開設しようかと考えるようになりました。

また、著者はとてもドライです。あとがきによると本書は著者による「臆病者のための株入門」の上級編という位置付けとのことですが、入門編である同書に、
株式投資の世界にはトレーディング派、個別株長期投資派、インデックス投資派の3つの派閥にそれぞれ「原理主義者」が存在して互いに罵り合いを続けている
という一節があります。この一説に株式投資に対する著者のスタンスがよく著されている気がします。
本書「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術」においても、著者は特定の立場に立って株式投資を解説するのではなく、それぞれの立場から一歩身を引いたところから冷めた視線でいろいろなテーマが書かれているように思います。結論としては、海外ETFを活用して世界全体に投資する方法を推奨していますが、その結論に至る流れが自然で押し付けがましいところがないのがいいところかなと思います。

本書では、投資理論の流れ、デリバティブやオプション、ヘッジファンド等についても触れられており、内容的にはややマニアックな部分もありますが、投資に知識のない方でも分かりやすいよう平易に書かれていますしいわゆる投資の「教科書」とは違い、物語を読むように読める一冊ですので、投資についてあまり詳しくない方にもお薦めです。

〔他のブログの書評〕
○「経営戦略入門」
○「アカウンティング&ミュージック・「期待に応える」会計事務所の仕事と音楽」
○「のらFPのブログ」
○「IT社長Aryuのアレなブログ」
○「あかつき財務戦略研究所」
○「レバレッジ投資実践日記」
○「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」
[ 2008/04/20 19:15 ] 読書感想文 | TB(2) | CM(2)

グレアムとバフェットと「バリュー投資」

多少時間がかかってしまいましたが、先日の記事「投資するのは企業か、株式か。」についてこなつさん、Itoさんからいただいたコメントに対するコメントです。

こなつさんが御指摘されているように、私も、「バリュー投資」とは本来、資産株投資だけだと思います。グレアムの「賢明なる投資家」で紹介されている割安株の探し方を見てもそのように思います。

また、Itoさんは、株式市場がグレアムの頃より効率化した現在では、純粋な意味でのバリュー投資(資産株投資)はグレアムが活躍した時代より難しくなっているのではないかと指摘されています。
私の個人的な意見では、資産株投資が難しくなっているとしたら、ビジネスの環境が変化してきたからではないかと思っています。うまく言葉にできないのですが、ビジネスにおいて「ブランド」や「サービス」など「無形の資産」(つまり貸借対照表には載ってこない資産)がビジネスにおいて大きな比重を占めるようになってきているのではないかと考えています。

とはいえ、資産株投資が難しくなったといっても、含み資産を目当てに銀座のデパートや関西の鉄道会社の株が投資ファンドに買われたりしていますので(フジテレビの株を目当てにニッポン放送株を取得したライブドアも「資産株投資」と言えますよね)、資産株投資の機会がなくなったわけではないと思います(グレアムの頃よりマニアックになっているとは思いますが)。

ただ、個人的には、企業の財務諸表を読み込んで保有資産を細かくチェックしていくより、企業のビジネスを分析して将来の成長性を予測するほうが面白そう(性に合っている)と思うので、私の投資スタイルは引き続き、企業価値に重きを置いたバフェット流になるかなと思います。

ところで、こなつさんやItoさんが指摘されているように、私も、「収益バリュー」をグレアム流の「バリュー投資」と呼ぶことに違和感を感じています。

バフェットの言葉に、「『バリュー投資』という言葉は意味が二重になっています。投資が、少なくとも支払った金額に見合った価値を求めた結果の行為でないとすれば、一体何なのでしょうか?」(『バフェットからの手紙』P.153)というものがあります。
個人的には、この発言は、「使ったお金以上の価値(=value)が手に入れられると思って資本を投下するのが「投資」なんだから、valueを求めない「投資」なんて存在しないでしょ」という意味だと解釈しています。つまり、投資スタイルの違いは、何を価値(value)と考え、そのvalueをどう算定するかの違いに過ぎないと思うんですよね。

実は、私があえてブログのサブタイトルを「バリュー投資」ではなく「企業価値に基づく投資」としたのも、「バリュー投資」という言葉が何を指しているのかよく分からないので、「企業価値」(資産価値ではない)という言葉を選んだのです。

だから、個人的には、「資産バリュー」とか「収益バリュー」という言葉には違和感を感じます。グレアムは著書で「価値」を定義しているので構わないんですが、そのうち「価値」という言葉だけが独り歩きしてしまったんでしょうね。

余談ですが、私の個人的な意見では、バフェットがグレアムを「師」と仰いでいるのは、
企業の価値を算定し、株価が企業価値を大きく下回っている銘柄に投資する
という根本的なアイディアを学んだからだと思っています。でも、企業の「価値」が何か、という点では、グレアムと現在のバフェットには大きな違いがあると思うんですよね。バフェットとグレアムの関係を考えるときには、この点を考慮する必要があるかなと考えています。
[ 2008/04/19 16:25 ] 投資全般 投資哲学 | TB(0) | CM(2)

日本の証券取引所に上場を希望するETF

今般、相互リンク先のとよぴ~さんが、日経証券部の記者さんから、個人投資家にとってはどんなETFが証券取引所に上場すれば便利なのかというテーマで取材を受けることとなったそうです。
そして、とよぴーさんは、他の個人投資家の御意見も参考にしたいといのことで、ブログ上でアンケートを実施しています。とよぴ~さんの「皆様のチカラ(意見)を貸してください」という記事がそれですので、お時間のある方は御協力お願いします。

ところで、せっかくの機会なので、どんなETFが上場したら便利なのか、私なりに考えて見ます。一般的なところでは、とよぴ~さんのアンケートにも登場する「MSCI・コクサイ・インデックス」に連動したETFがあったらいいんじゃないかと思います。

ただ、私は米国経済の先行に悲観的なので、MSCIコクサイでは米国の比重が大きすぎると感じています。私としては、次の3つのETFが証券取引所に上場されたら、それだけでグローバル・ポートフォリオが組めるので嬉しいです。

○(米国)iシェアーズ® Russell 2000 インデックス・ファンド(IWM)
○(欧州)iシェアーズ® MSCI ヨーロッパ(IMEU)
○(新興国)iシェアーズ® MSCI エマージング・マーケット・インデックス・ファンド(EEM)

米国については、本当はRussell2000よりもRussell3000に連動するETFの方がいいのですが、該当する商品が見つかりませんでした・・

実は現在、海外ETFを購入するために海外証券口座を開設することを検討中なんですが、上記3つのETFがいずれも日本の証券取引所で買えるようになるなら、わざわざそんな面倒なことをしなくてもいいかもしれません。
[ 2008/04/18 21:24 ] 投資全般 海外投資 | TB(1) | CM(2)

バフェットは投資家か、経営者か。

先日の記事「投資するのは企業か、株式か」にいただいた○田×男さん、まろさん、Itoさん、アルビレオさんのコメントに対する私のコメントです。
この記事が長文になってしまったので、こなつさん、Itoさんのコメントに対するコメントは近日中に別稿で。

「バフェットは投資家か、経営者か」という点については、個人的には、バフェットは企業経営者ではなく投資家であると考えています。
私がこのように考える理由の一つは、彼の株式投資スタイルです。アルビレオさんが指摘されているように、彼は投資対象企業の経営者の資質や誠実さを非常に重視し、また、経営者の報酬や資本政策を除いて投資対象企業の経営には関与しないというスタイルを貫いています。また、バフェットは、保有比率にかかわらず自分の投資哲学は変わらないと言っています。
個人的には、株式投資の最大の特徴は、一旦正しい投資をすることができれば、後は投資対象企業が投資家のカネを勝手に増やしてくれることだと考えています(その代わり、間違った投資をしてしまえば、投資対象企業が自分のカネを食いつぶすのを指をくわえてただ見ているだけになります。)。
こういう発想の私からみると、バフェットが経営者の資質や誠実さに非常にこだわるのはとても理解できるのです。

もう一つは、バフェットの投資対象です。バフェットは一般的にはいわゆる株式投資における「バリュー投資」の成功例と考えられていますが、実際には株式の裁定取引を行っていたり、コモディティや通貨にも投資したりしています。
どちらも投資主体はバークシャーなのに、裁定取引をしたりコモディティや通貨を売買するときは「投資家」で、株式投資をするときは「経営者」と立場が変わるのもヘンな話です。それに、バフェットは、投資対象が何であれ、一貫した投資哲学に基づいて投資をしていると思うのです。

そんなワケで、私はバフェットは経営者ではなく投資家だと考えています。
まあ、バフェットが投資家と経営者のどちらなのかというのは、どちらが正解というより、それぞれの投資家の評価の問題で、どちらが正解というものではないと思います。それに、突き詰めると「投資家」と「企業経営者」の違いは何かという議論になってしまいますしね。そんな議論は私には難解すぎます・・

ところで、○田×男さんは、バフェットは出口(現金化)を考えないのではないかと指摘されていましたが、私の考えはちょっと違います。私は、バフェットが、企業が稼いだ現金を(理屈だけでなく)本当に自分のカネだと考えているんじゃないかと思っています。自分のカネだからこそ、そのカネを預ける経営者の資質や誠実さは非常に厳しくチェックするし、また、企業がきちんとカネを稼いでいれば、その企業を周囲がどうみようと(つまり株価がどうだろうと)気にしないのではないかと思います。
そういう意味でも、株価が内在価値に一致する「いつか」を待ち続ける「長期投資家」とは質的に異なるのかなと考えています。
[ 2008/04/13 23:39 ] 投資全般 投資哲学 | TB(0) | CM(3)

投資するのは企業か、株式か。

バフェットの株式投資スタイルについて最近思うこと。
私は最近、バフェットの株式投資スタイルは、いわゆる「バリュー投資」とは似ているようで本質的には異なるものなんじゃないかと感じています。

ところで、「バリュー投資」という言葉の定義は非常に多義的で曖昧なので、ここでは本題に入る前に、
「いわゆる『バリュー投資』」とは、「株価は短期的にはランダムであるが、長期的には企業の内在価値に収束する」という「法則」に則り、定量分析・定性分析等に基づき、その企業の内在価値に比べて割安と考えられる企業の株式を購入して一定期間保有した後、株価が企業の内在価値に収束したと考えられる段階で売却して投資収益を確定する投資戦略をいう
と定義します(なお、以下では、単に「バリュー投資」といいます。)。

さて、「バリュー投資」では、それが数か月後なのか数十年後なのかはともかく、その企業の株価が内在価値に収束したと考えられる段階でその株式を売却することにより、投資の利益を得ることができます。
私も当初、このような考え方に基づいて本格的に株式投資を始めたわけですが、その後、この考え方にはいくつか違和感を持つようになりました。
私が抱く最も大きな違和感は、
○株価が収束することとなる「企業の内在価値」は時間とともに変化する
○株価がいつ「企業の内在価値」に収束するかが分からない
→ このため、出口となる株価及び投資期間が不明であり、投資の段階で投資収益率が予測できない
ということです。

これに対して、私の理解するバフェットの株式投資スタイルは、「企業が稼ぐ利益のうち自己の持分に相当する分が投資収益である」というスタイル。自分がその企業の全株式の1パーセントを保有しているとしたら、その企業の利益の1パーセントが自分の投資収益であるという発想です。

このように考えた場合、「バリュー投資」では株式の売買損益を投資期間で割ることによって投資収益率が算定されるのに対し、バフェットの株式投資スタイルはEPSを一株あたりの購入価格で割ることによって投資収益率が算定さます(配当等は考慮しない。)。
つまり、「バリュー投資」は、企業の内在価値に着目しているものの、投資の対象はあくまで株式であるのに対し、バフェットの株式投資スタイルの投資対象は企業そのものと考えることができます。
私の場合、このように考えるようになってから、株価の短期的な値動きが以前と比べて気にならなくなり、投資先企業の業績や経営方針の方により関心が向くようになりました。

もちろん、バフェットに直接確認したわけではありませんので、上記はあくまで私の勝手な解釈です。それに、私の考えるバフェットの株式投資スタイルにもいろいろと悩ましい点はありますし、このスタイルが「バリュー投資」より優れているとか、高い投資収益率が期待できるというつもりもありません。誰にでも高い投資収益率が期待できる「優れた投資戦略」なんて存在しないと思っていますので。

でも実際のところ、他の個人投資家の方ってバフェットの株式投資スタイルをどのように解釈しているだろう? 解釈は人それぞれなので議論するつもりはありませんが、よかったら聞かせてください。
[ 2008/04/04 21:44 ] 投資全般 投資哲学 | TB(1) | CM(8)






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