まろさんのブログで 「個別株投資の意義は何か?」という記事を読んでから、約半月かけて自分にとっての個別株投資の意義を考えてみたけど、ようやく、次のように整理できた。 私にとっての個別株投資の意義は次の2つ。 1 市場平均を上回るパフォーマンスを得たい 2 「優れた投資家」になりたい以下、順を追って説明してみる。 1 市場平均を上回るパフォーマンスを得たい誰に何と言われようと、私が株式投資を始めたのは投資で金持ちになりたいからで、その気持ちは現在も変わっていない。そのためには、投資の能力を磨き、できるだけ投資収益率を上げるのが最善の方策だと考えている。 「金持ち父さん」から投資に入った私としては、会社勤めを続けながらゆっくり資産形成を目指すという発想を受け入れられないし、市場の動向によって自分の財産の命運が左右されるというのも気に入らないので、インデックス投資(パッシブ運用)には否定的。 将来的に日本の証券取引所で海外ETFの取扱が開始されれば投資を検討するけど、投資するとしたら、中期(3~5年)で複利年率15%以上の収益率が期待できる場合に限られるだろうから、純粋なパッシブ運用とは言えないと思う。 もっとも、妻名義で運用しているインデックス投信PFの方は、完全なパッシブ運用だけどね。 ※インデックス投資(パッシブ運用)については文末参照。 2 「優れた投資家」になりたい私の考える「優れた投資家」とは、 ・政治・経済・歴史など幅広い分野に深い造詣がある ・自分の感情をコントロールして適切な判断ができる の2つの条件を満たす投資家。バフェットやマンガーをイメージしているんだけど(笑)。 陳腐だって笑われそうだけど、そういう投資家を純粋にカッコイイと思い、自分も同じようになりたいだから、投資の勉強も、苦になるどころか、楽しくて仕方がない。と思っているんだよね。イチローに憧れる野球少年みたいな心境。これでまた一歩バフェットの域に近づけたかな、なんて考えたりして(笑) 最近は、1より2の気持ちの方が強いかな。何億円のお金ができたらリタイアしようという考えはなくて、どれだけの期間を通じてどれだけの投資収益率を達成できるかという方に関心がある。もちろん、会社勤めをする必要がないだけの資産ができたら、仕事を辞めて投資に専念したいとは思うけど。 個人的には、私ほど投資を好きはでなくて、老後の備えができればそれで十分という人は、個別株投資のために時間を割くような無駄なことはせず、インデックス投資でゆっくり確実に資産を殖やしていく方が賢明だと思う。 個別株投資をしてみたいという人は、まずは次の文章を読んでほしい。 「証券分析の父」と呼ばれるベンジャミン・グレアムの言葉。 「投資方針はまず、その投資家が防衛的(受動的)な立場をとるか、攻撃的(積極的)な立場をとるかによって決まる。積極的投資家は証券価値に関する知識を相当持っていなければならない。その量たるや、自分の証券取引をひとつの事業として考えるほど必要なのである。この考え方において、受動的、能動的という2つの立場の中間などないし、どちらかへの移行もない。多くの、恐らくほとんどの投資家は、このような中間に自分を位置付けたがる。我々はこれを妥協とみなすこのような考え方では、達成感よりも失望を味わうばかりである。」 (グレアム&ツバイク「新賢明なる投資家 上」p303)本当にそのとおりだと思うので、個別株投資をするつもりなら、本格的に勉強した方がいい。そうでないなら、インデックス投資の方が絶対お薦め。あんまり知られていないようだけど、バフェットもインデックス投資の有効性を認めているんだよ。 今年はこの記事でお終い。 皆さん、よいお年を! (参考) インデックス投資(パッシブ運用)とは、簡単に言えば、株価指数(インデックス)に連動したリターンを得る投資手法のこと。例えば日本の株式市場なら、TOPIXや日経平均に連動するインデックス投信やETF(上場投資信託)に投資するという方法があります。 私がインデックス投資をお薦めする理由は こちら。 また。インデックス投資に関しては、 水瀬さんや rennyさんのブログが参考になります(いつも勉強させてもらっています)。
私は、本書を読んで、投資家ジム・ロジャーズにすっかり魅せられてしまいました。世界各国の政治・経済・歴史に対する深い理解と、その理解に裏打ちされた大局的なものの見方。投資対象も株式に限定されておらず、ある意味では、私の理想とする「投資家」像にいちばん近い人物かもしれません。 まあ、女友達の娘と恋仲になるというのはちょっと考えものですけど・・(^_^;) 本書は、基本的に旅行記の体裁を取っていて、 アイルランド発 →中央アジアと中国を横断して日本へ →ロシアを横断してアイルランドへ →アフリカ縦断 →オーストラリア横断 →南アメリカを縦断して米国に帰国 という旅程の順に時系列に綴られています。 そして、旅行中のハプニング、その国の政治・経済・歴史の解説、旅行中に行った自らの投資、そして自らの投資哲学などが散りばめられています。 ただ、日本のように、金融市場の話題が大半で旅行の話題にほとんど触れられていない国がある一方、ザイールのように、旅行中のハプニングの話題がほとんどを占めていて投資の話題が登場しない国もあるので、個人的には、最初から最後までじっくり読むよりは、「今回は旅行の話題だけを読む」などと最初にテーマを決めて何回かに分けて読んだ方が効率的かなと思います。 まあ、本の読み方なんて人それぞれの好みでしょうけど。 私は個人的に、結婚前はいわゆる「バックパッカー」的な旅行が好きで、現在は投資に最大の情熱を注いでいるので、非常に楽しめましたし、得るものもありました。冒険旅行に興味のある方、「投資家」になるために自分の貴重な時間の多くを割こうという意欲のある方には一読をお薦めします。 逆に、本書に金融理論は一切登場しないので、投資で重要なのはモダン・ポートフォリオ理論とアセット・アロケーションであり、余暇は(投資ではなく)趣味などに使いたいという方が本書を読んでも得るものはないと思います。 そういう方には、むしろ、次の本をお薦めします(過去の解説記事にリンク付き)。 「貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント」「株式投資の未来」
最後に、私が本書で感銘を受けた、ロジャーズの投資哲学が書かれた箇所を抜粋します。 「投資家たる者は、ついそこのお金までが動きそうになるのを見極めるまで何もしない方がいいのだ。ほとんどの投資家がおかす大きなミスのひとつは、常に何かしていなければと思っていること、つまり待機資金を投資しなければと思っていることだ、実際、多くの投資家にとって、1回の投資で大金を手にすることが最悪の事態を招くのだ。彼らは興奮して勝ち誇り、「さあ、次もこんなチャンスを狙ってやろう」と思うようになる。 次の確実なチャンスが来るまで、お金を銀行に預金してじっと待つべきなのだ。それなにおすぐまた飛びついてしまう。何たる傲り! 投資のコツはいかにしてお金を失わないかということにあるのだ。これが最も大事なことだ。もし年9%の割合で資金を増やすことができれば、ある年は上々の出来だったが次は散々というような浮き沈みの激しい投資家達よりも、よい成果を上げられるのだ。損失が命取りになる。損を出せば複利での利殖率は落ちる。そして複利こそが投資の力なのだ。」(P297)
「もし1000人の人に金持ちになりたいかどうかを尋ねたならば、詩人と神秘家を1人ずつ除けば、皆がなりたいと答えるだろう。金持ちになるために何が必要かを説明したならば、そのうちおそらく600人は「問題ない、私にはできる」というだろう。しかしいざ、彼らが人生における他のこと全て-配偶者や子供、社会生活、場合によっては精神生活、それにおそらくはあらゆる娯楽を手にすること-を、目標達成のためには犠牲にしなければならないとなれば、ほとんど全ての人が脱落するだろう。そして1000人のうちおよそ数人が困難な道を歩み続けることができるのだろう。 私たちのほとんどは、目標を成就するために他の全てのことを諦めて、5年、10年、20年とただ一つの目的に向かって集中するという訓練がなされていない。しかしこのことこそが、オリンピックの金メダリスト、国際的な外科医、キエフのバレリーナになるために必要な条件なのである。 もちろん、そのようにしたところで、全てが徒労に終わる可能性もある。全ての仕事を帳消しにするような、一つの過ちを犯すかもしれない。(中略)「人生においては、何をすることもできるが、全てのことをすることはできない」という古くからの金言はまことに正しいのである。これはベーコンが「妻子は富の敵である」と言ったときに想起していたことである。もしあなたがそれらを優先するならば、1マイルを3分半で走ることも、1000万ドルをまず儲けることも、偉大な米国の小説を書くことも、バイクで世界中を回ることも、たぶんできないだろう。そのような目標を達成するためには己の全てを注ぎ込む覚悟が必要なのだ。」(P130-131)彼は、本書の最後を次のように結んでいます。 「もし夢があるなら実行すべきだということだ。夢を現実のものとしなければならない。チャンスは再び巡っては来ないのだから。」(P417) 本当にそのとおりですね。本書を読んで、私が目指す「投資家」になるための道のりが前よりはっきり見えてきました。目標は遠いし、道のりは険しそうですが、もっともっと努力する必要がありますね。 (参考) 「初心者のネット株取引入門」に、ロジャーズについての詳しい説明があります。
本書のテーマは 「負けない資産運用とは何か?」です。 マーケティングのせいかタイトルと表紙はややfunnyですが、本書はファイナンスの入門書として秀逸です。βやリスク、複利効果や時間分散、モダン・ポートフォリオ理論などといったファイナンスの基礎が、投資になじみのない素人にも分かりやすく解説されています。正直、これらを本書以上に分かりやすく解説するのは至難の業じゃないかな。 「老後に備えてそろそろ投資の勉強をしてみよう」という方が最初に読むにふさわしい本だと思います。投資にあまり関心のない方は本書の内容で十分だろうし、もっと投資を勉強したいという方も、本書を読んでおけば今後の勉強の助けになると思います。 ちなみに私は、本書より、北村氏の前著 「外資ファンド 利回り20%超のからくり」の方に興味をそそられます。個人的に興味のある分野ですし、ファイナンスの基礎をここまで分かりやすく解説できる著者は外資ファンドをどう見ているのかなと思って。著者は投資ファンドの勤務経験があるそうですしね。 それにしても、「金持ちのインベストメント」。インベストメントって、本質的には、金持ちが資産を守るための投資手法なんですよね。インベストさえしていれば誰でも金持ちになれるというほど、世の中甘くはありません(本書にもそんな甘い話は書いてありませんし)。 (参考) 本書の内容をもっと知りたい方は、 AKIさんのブログ「成長株で億万長者」の記事が参考になります。
先日のシェアーズのセミナーで、山口氏は、なるべく多くの会社の有価証券報告書を読むことを薦めていた。実際、彼は以前、約6か月ほど、通勤電車の中で有価証券報告書を毎日2冊(往復各1冊)読んで勉強して、非常に勉強になったとのこと。 有価証券報告書を片っ端から読む・・・・どこかで聞いたような・・ そう、このブログのタイトル「Aから始める」は、バフェットが個人投資家向けのアドバイスとして、上場企業の有価証券報告書を(証券コードのAから始めて)全部読むことを薦めたという逸話にちなんだもの。 ちなみに私の場合、有価証券報告書はちょっと無理だろうと思い、会社四季報で手を打ったんだけど・・・・ やっぱり手抜きはいけないってことかなあ。 今回のセミナーで読み方のコツが掴めたような気がするし、有価証券報告書を読むのが楽しみになってきたので、今度は、手を抜かずに有価証券報告書をAから始めようと思う。 とはいえ、明らかに投資対象とならない企業の有価証券報告書を読むのは嫌なので、四季報CD-ROMでスクリーニングした 約300社の有価証券報告書を2007年6月末日までに読む
ことにします。 私はアナログ派なので、有価証券報告書は職場でこっそり印刷します(笑)
先日、ひょんなことから、山口揚平氏が代表を務める シェアーズのサイトで、個人投資家に人気のあるフージャースという不動産銘柄のバリュエーション結果が掲載されていることを知りました(現在は削除されています)。 このバリエーション結果についてはいろいろと批判等があるようですが、その前提として、シェアーズは定量分析しかしていない、という考えがあるように感じました。確かに、サイトを見ると、定性分析がされたようには見受けられなかったので、 山口氏の著書に感銘を受けた私としては、「どうして定量分析だけなんだろう?」という疑問を持ちました。 そこで、 先日参加したシェアーズのセミナー終了後の打上げの際、山口氏に対して、シェアーズを取り上げた理由、定性分析を行わなかった理由等を聞いてみたところ、説明は次のとおりでした。 ○シェアーズの「実践!『企業価値評価』講座」では、個人投資家向けにバリュエーションマトリクスという有料サービスを提供している。同サービスの紹介のため、いろいろな企業について、同サービスを用いてバリュエーションした結果を掲載している。このような目的で記事を掲載しているので、定性分析はしていない。 ○個人投資家に人気のあるフージャース、アセット等を評価してみたら面白いかなと思っただけ。取り上げる銘柄に特に思い入れはない。 ○定量的に分析したらこうなるという視点を提供しただけで、投資判断の適否を論じたつもりはない。 ○予想外に批判が強かったので記事を削除したら、今度は記事を削除するのはけしからんという批判を受けてしまった(→私はこの話を聞くまで、記事が削除されているとは知りませんでした・・)要は、自社サイトの有料サービスのサンプルのようなもので、シェアーズとしてフージャースを「分析」したわけではないという趣旨なのだろうと理解しました。 ちなみに、山口氏がフージャースをどう評価しているのかは聞いていません。ただ、山口氏は、営業CFがマイナスの会社には投資しない方針であり、不動産銘柄に興味はないと言っていました。 他方、シェアーズの別のスタッフは、営業CFがマイナスとなっている理由が重要なので、営業CFがマイナス=投資不適格ではないとも話していました。 それにしても、フージャースって人気があるんですね。私自身は別の不動産銘柄に投資しているのでフージャースに興味はありませんが、「投資をまじめに考える」というサイトの 「あるフージャースの分析に対する反論」という記事などは、よく研究されているなあと感心してしまいます。 いまの私がここまで企業を分析するのは無理。もっと投資を勉強しなきゃと思いました。 (注)当記事は山口氏等の説明に係る私の理解を記述したものであり、山口氏又はシェアーズの確認・了解等を受けていませんので、その旨御承知置きください。 (上記以外の参考記事) ・成長株で億万長者 「こなつさんのブログで」・投資の金メダル 「フージャース分析の賛否両論について思うこと」
12月17日(日)、シェアーズ代表の山口揚平氏による 「個人投資家のための『有価証券報告書』の戦略的読解法」というセミナーに参加しました。有料のセミナーで詳細は書けないので、セミナーの模様と感想を書こうと思います。 この日のセミナーは、三星食品とカンロというキャンディ製造業者2社の有価証券報告書を読み比べながら、有価証券報告書の読解法を学ぶというものでした。セミナーは13:00~18:00(当初の予定では17:00頃?)で、参加人数は約40人。山口氏が逐次質問に応じてくれるため、長時間のセミナーにもかかわらず、まったく消化不良を起こしませんでした。 セミナー終了後は会場付近の居酒屋で、山口氏をはじめシェアーズのスタッフとセミナー参加者有志による打上げが催され、セミナーでは聞けなかった質問を直接山口氏に聞くこともできました。帰りがけには山口氏にお願いして著書にサインをもらい、心身共にお腹いっぱいで家路につきました(笑) この日のセミナーでは、セミナー参加者の9割は投資の際に有価証券報告書を読み、そのうちかなりの方が「注記」まで目を通しているとのこと。そのためかどうか、セミナーは、有価証券報告書に関する基礎的知識を有していることを前提に進んだので、このセミナーで読み方を基礎から勉強しようと考えていた方にはちょっと難易度が高かったのではないかと思います。もっとも、セミナーは「中級編」を謳っていたので、そういう方が参加されていたかどうかは分かりませんが・・ 私の場合、有価証券報告書に目を通してはいるもののB/SやP/L、C/Fといった計算書を読む以外にどのように株式投資に活用したらよいのか分からなったというのか、このセミナーに参加した理由です。 私はこれまで、バフェットが過去3期分の有価証券報告書だけを読んで投資をすることがあるという話が信じられませんでした。しかし、今回のセミナーに参加し、「ここまで読みこなせるなら、過去3期分の有価証券報告書だけで投資判断できる」と感じました。 実は、私は三星食品とカンロの有価証券報告書をひととおり読んでからセミナーに参加しましたが、セミナーで山口氏が紹介したような情報を読み取ることはできませんでした。このセミナーを受けてみて、私が計算書等の数字の変化を追っていただけでそれが企業の将来にどのような影響を与えるのかといったことまでは考えていなかったこと、私がこれまで漫然と読んでいた計算書等以外の項目が定性分析の重要な材料となることが理解できた気がします。 結局、私と山口氏は同じ「有価証券報告書」を読みながら、山口氏は私と比較にならないほど多くの情報を入手していたわけです。どんな情報に接しているかより、その情報をどう評価・分析し、有効に活用するかの方が大切なんだなあと改めて実感した1日です。 このセミナーの参加料金は31,500円。金額だけみると決して安くはありませんが、このセミナーで学んだことが私の今後の株式投資に与える影響を考えると、私にとってはかなりの「バリューのある」投資だったと思います。 なお、一部個人投資家の間で話題となった、シェアーズのサイトにフージャースのバリエーションが掲載・削除された件については、定性分析をしていない理由等に関心があったので、打上げの際に山口氏に直接趣旨等を聞いてきました。その話は 次回。 (参考) ・当ブログで過去に山口揚平氏の著書を紹介しています。 「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」・相互リンクしているintelligent-investor.netの管理人であるcpainvestorさんも本セミナーに参加され、その模様をブログで紹介しています。 有価証券報告書の戦略的読解セミナー」cpainvestorさんには会えませんでした・・(^^;)
私はこれまで、企業価値に基づく投資で必要な忍耐力とは、投資銘柄が一時的に値下がりしたときに売却の誘惑に負けないことだと思っていた。 でも、最近、一時的な値下がりで売らないのはもちろんだけど、それ以上に、投資したい企業の株価が「これ以上は下がらない」と思えるほど割安になるまで投資を我慢する忍耐力の方が重要ではないかと思うようになってきた。 こう思うようになったのは、今年何度か経験した株価の低迷時期に投資余力がなく悔しい思いをしたこと。いままでも、企業価値を推定して割安と思う企業に投資してきたけど、そのテの銘柄も、相場全体が低迷するときは一緒に株価が下がることに気づいた。 それなら、狙いをつけた銘柄が年に何度か訪れる相場調整で値下がりするまで辛抱強く待った方がいいかなと。なぜなら、t下落幅が大きいほど回復幅も大きくなる傾向があるので、より短期間で大きなリターンが期待できる。それに何より、もし間違えた場合も、すでに十分値下がりしていれば下落幅は小さくなるので、リスクを低く抑えられる。 バフェットは、「十分に割安な価格で買えばリスクはない」と言っているし、ジム・ロジャースも、「十分に割安な価格で投資すれば、例え間違っていてもカネを失うことはない」と言っている。 この戦略では、値上がり銘柄を掴み損なうリスクがあるものの、その代わり、投資頻度と値下がりリスクをかなり低く抑えられると思う。大体、いままでの経験では、値上がりに乗り遅れまいとすると失敗する傾向がある^^; この戦略、私にぴったりかも。
明日から3泊4日の出張です。 私は出張がキライです。 かわいい娘に会えないし、晩御飯はひとりぼっちだし・・ (一緒に出張した同僚と飲みに行ってもいいんですけど) そもそも、スーツを着て重い荷物を持って遠出をするのがイヤ。 Backpackとジーンズ・サンダルなら世界のどこにでも行きますけど(^^;) で、出張を少しでも快適に過ごすべく、色々な手段を講じています。 最近ネットで見つけたのが、AVコードでパソコンやiPodをホテルのTVに接続し、TVを簡易スピーカーとして使う方法。 ラジオ派の私はふだんTVをほとんど見ないので、ラジオのないホテルの部屋はかなり苦痛。とはいえ、ずっとイヤホンで音楽を聴いているのもしんどいし・・ この方法は今回ぜひ試してみようと思っています。 また、職場の女子職員に聞いて「いただき!」と思ったのは、入浴剤を持参すること。最近の家庭のお風呂では入浴剤が使えないことが多いですからね。これも試してみる予定。 お薦めの方法があったら教えてくださいね。
ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来 永続する会社が本当の未来をもたらす」を読みました。 本書のエッセンスを簡潔に表すと次のようになります。 株式の長期的なリターンは、実際の増益率と投資家の期待との格差で決まる。この基本原則は、配当の再投資によって効果が増幅される。市場価格(株価)には投資家の期待成長率(株価)が反映されていて、実際の成長率が期待成長率を上回れば株価が上がり、期待成長率を下回れば株価は下がるので、「リターンが実際の増益率と投資家の期待との格差で決まる」というのは当然です。 これは企業価値に基づく投資の基本的な考え方で、新しい発想ではありませんが、このことをデータと事例を用いて証明している点は素晴らしいといえます。 。 私は、本書の最大の意義は投資における配当再投資の威力を証明したことだと思います。私も、配当を再投資するかどうかでリターンにこれほど大きな差が生じるとは思っていませんでした 配当を含めて株式のリターンを考えているのが本書の特徴です。本書で紹介されているマッキンゼーの2人が値上がり益だけをリターンと考えたのと対照的です。 本書では、1871年~2003年の株式の累積リターンの97%は配当再投資が生んだもので、値上がり益はたったの3%であるとされています。もちろん、配当再投資は一種の「複利効果」なので、投資期間をせいぜい30~50年と考えた場合、株式のリターンに占める配当再投資の比率は97%よりかなり低くなります。しかし、大切なのはリターンに占める配当再投資の割合ではなく、配当を再投資することにより、値上がり益を大きく上回るリターンを手に入れることができるという点です。 本書は、単に理論を並べるだけでなく、それを豊富なデータと個別事例で丁寧に証明している点が素晴らしいです。読む価値のある本だと思います。 ただ、本書には明らかな欠点もあります。 私が考える本書の欠点は、次の4つです。 (1)「実際の成長率が投資家の期待を大きく上回る銘柄」の見分け方には触れられていない。 (2)バフェットに対する評価に強いバイアスを感じる。 (3)著者の説く「世界的解決」は独自のシナリオに基づいており、説得力が乏しい。 (4)第1部~第3部でインデックスの不利を主張しながら、第5部のポートフォリオではインデックスが中心的位置を占めている。 (1)は投資家の領分であるとしても、(2)について、配当再投資の必要性を説く章で、「バフェットは希有な投資家だから配当を払わなくてオッケー」という態度はどうかと思います。 また、著者はポートフォリオからバークシャー(バフェットの経営する企業)を「外せない」としていますが、この主張には反対です。バークシャーの収益の源泉はバフェットですが、そのバフェットは現在76歳。どう考えても、「長期投資」のポートフォリオに向く銘柄ではないと思います。 そんな訳で、読む価値のある本だとは思いますが、読むのは第1部~第3部で十分です。第4部・第5部を読む場合は、第1部~第3部とは切り離して、著者の個人的主張であることを理解したうえで読むことをお薦めします。 (参考)他のブログで掲載されている本書の書評です。 ・Intelligent-investor.net・成功者への道・レフティドラゴンのバリュー投資日記・長期投資に王道なし
免努苦斎さんのサイトに一度載っけてから削除してしまった投稿です。 「5つの『そもそも』質問」シリーズの後半のコメント欄では議論が噛み合っていなかったので(って私の理解不足が原因ですね(^^;))、もう一度整理し直しましてみました。 私の中では総括という位置付けです。 削除した経緯等は免努苦斎さんのサイトの方を御覧ください(笑)。 免努苦斎さんから若干のコメントをいただいています。 ====================================================== 「Aから始める」管理人の空色です。 先日は当ブログでコメントを頂戴しありがとうございました。
さて、valueとvalue投資について、ようやくアタマの整理がついた(ような気がしてきた)ので、こちらに書かせていただきます。 議論を求めるものではないので、読み流していただければ。
設問とは多少ずれてしまいますが、value投資に対する私の認識を説明します。 最初に明示しておきたいのは、私は、投資はセンスと技術と経験を必要とする「料理のようなもの」であり、自然科学のような普遍的法則の存在する「科学」ではないと考えているということです。
value投資におけるvalueは、「value投資家がvalueと定義したもの」です。 私にとって、valueと「value投資家がvalueと呼ぶもの」は別の概念ですから、両者の関係を整合的に説明するのは不可能ですし、その必要もありません。 免努苦斎さんの言葉を借用すると、私にとってvalue投資は、投資家が「値決め」をするための仮説の1つという位置付けです。 (そもそも、グレアムとバフェットが同じ企業をみた場合、2人が推定する「value」の額は違うわけですし) ですので、私は、value投資が科学的であるとか、他の投資家の投資哲学より優れている等と考えたことはありません。
また、バフェットにとって普通株投資は、投下資本で期待現金総額(注1)を手に入れる取引であって、株価の推移によって利益を得る取引とは異質のものというのが私の理解です。 そのため、バフェットが普通株投資において、期待現金総額をvalueと呼んだのは、彼がそれを債券投資における債券の償還価額と利子の合計額(注2)と同列に評価しているから と解釈しています。
(注1)企業が将来にわたって稼ぐと期待される現金総額の割引現在価値 (注2) 額面価額と償還期日までに支払われる利子総額の合計額の割引現在価値
ちなみに、どうして割引現在「価値」なのかは分かりません。 これが現在の私の限界です。終わった話に長文で失礼いたしました。 それでは。
ちなみに。 使用価値と交換価値の議論は分かりませんでした。 個人的な関心事項は、なぜモノやサービスが交換価値を持つのかという点です(交換できるから交換価値がある、という理解もあるのでしょうけど・・)。 ======================================================
(参考)「5つの『そもそも』質問」シリーズ ・ バリュー投資家に対する5つの基本的な「そもそも」質問(2006.11.25)・ 投資とvalueに対する基本的理解(2006.11.28)・ valueと価格(2006.11.30)
「個別株投資で低PER戦略は通用しない!」の続きです。今日は、PERの使い方を書いてみます。 私の考えるPERの使い方は次の2つです。 1 同一企業の過去のPERと比較する 2 「低PER」ファンドを作る 1 同一企業の過去のPERと比較するPERは、その銘柄に対する市場の評価(人気)を測る尺度としての側面があります(低PER銘柄を「不人気銘柄」なんて言いますよね)。 ですので、企業の過去のPERの平均値・最高値・最安値・推移等を調べてみると、その企業に対する市場の評価の推移等が分かります。 そして、収益性や市場環境等が大きく変わらない限り市場の評価も大きく変わらないと考えれば、過去のPERと現在のPERを比較することにより、現在の評価が過去と比べてどうなのかを知ることができます。 私はPERをこのように使っています。 ちなみに、 「成長する資産・しない資産」のコメントで ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー EPSやBPSが順調に成長しているのに株価が横ばいであるとしたら、分母が成長した分だけPERやPBRが低く(割安に)なっていることになります。こう考えると、いずれ株価が上がることが確信できませんか? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー と書いたのは、こうした考え方に基づいたものです。 収益性や市場環境等に変化がなく、企業が成長を続けているのに株価が横ばいのままである場合、株価が上がらない要因は心理的なものと考えられます。 そうであれば、心理的な要因さえ取り除かれればPERは元の水準まで戻ります。そして、PER×EPSが株価ですから、EPSが成長している限り、PERが元の水準に戻れば株価は上がることになります。 問題はそれがいつなのか、なんですけどね(笑) 2 「低PER」ファンドを作るクラス全体でみて「低PER」戦略が有効なのは、クラス全体でみれば成長率や財務状況が平準化され、PERも平準化される結果、一定水準以下のPERの多くが割安となるからです。 大雑把に言えば、例えば全体の7割が割安な銘柄、全体の3割がクズ銘柄であれば、全体としてみればお買い得ということです(7割・3割は私のイメージです)。 そのため、 (1)スクリーニングで財務状況の悪い企業を除外 (2)できるだけ多くの銘柄に分散 すれば、理屈の上では、有効な「低PER」戦略となるはずです。 このときに忘れてはいけないのは、割安な銘柄のPERは低くなるものの、PERの低い銘柄が割安とは限らない(そもそも企業価値の低いクズ銘柄もある)ということです。 ですので、この戦略を採った場合、PFの中には値下がりする銘柄や値動きのない銘柄が出てくるはず。 しかし、企業価値を分析していない以上、その値下がりが一時的なものかどうかは分からないはずですから、機械的な損切りを行うとか、年1回は銘柄入替を行うなどといったルールを決めておくことが必要です。 くれぐれも、いつまでも値上がりしない株を「低PER銘柄なんだからホールドしていればいつかは値上がりするはず」という幻想に捕らわれてはいけません。 その銘柄はきっとクズ銘柄ですから。 個人的には、こんな手間をかけるくらいならバリュー投信に投資した方が合理的だと思います。 ただ、日本には良い(コストの低い)バリュー投信がないんですよね。 う~む。
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後でじっくり、読みたいと思います。レバレッジ君私が子ども手当を支持しない2つの理由お邪魔します。
思うに子ども手当の根底にあるのは「子供達のためだから」という「主観的な善意の絶対化」ではないでしょうか。それは「女性のため」という「選択的夫婦ブロガー(志望)私が子ども手当を支持しない2つの理由私も子供手当は反対です。理由は、今は景気回復に全力を尽くすべきだから
です。子供手当の経済波及効果は極めて低いです。福祉をやってる場合か?
今がどんな時期なのかこなつホテル・ルワンダ>あつまろさん
コメントありがとうございます。
フツ族とツチ族って、統治しやすいようにベルギーが体型や鼻の高さなどを基準に無理矢理2つに分けただけで、実際に空色ホテル・ルワンダホテルルワンダ、私も印象に残っている映画です。
ツチ族とフツ族は以前から小競り合いはあったと思いますが、
旧宗主国のベルギーがツチ族を優遇したことで、憎悪がわきあつまろ