先日、セゾン投信の記事を書いてから1か月以上が経ち、セゾン投信の概要も判明しました。セゾン投信の記事を書いて以降、それ絡みのアクセスが突出して多いので、概要判明後の私のスタンスを書いておきます。 と言っても、タイトルを見れば結論は分かると思うので(笑)、ごく簡単に。 セゾン投信が出したファンドは次の2つ。 (1)セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド (2)セゾン資産形成の達人ファンド ※商品概要を知りたい人は セゾン投信HPへどうぞ。 (1)は、個人的には、米国の組入比率が高過ぎ、かつ債券の組入比率が高過ぎると思うので、投資するつもりはありません。 まあ、こういうアセットアロケーションが好みの人にはよいのかもしれませんが・・ (2)は、・・・・さわかみファンドとバンガードの日本株式インデックス? う~ん、意味不明です。 日本の株式市場に投資するのに、わざわざアクティブ投信とインデックス投信の両方を使う意味が分かりません。セゾン投信は、どっちも選べないほど優柔不断なのでしょうか? こんなにスタンスの曖昧な投信は願い下げです。 個人的には、どうしても、さわかみファンドとバンガードのネームバリュー(ブランド)をうまく使った投資初心者向けの商品に思えます。 私は別にさわかみファンドやバンガードを否定するつもりはありませんが、投資の世界では、「何を買うか」以上に、「いつ買うか」「いくらで買うか」も重要です。すぐれたファンドに投資していれば必ず儲かるわけではありませんから、組入ファンドのブランドで投資の意思決定をするのは賢明ではありません。 その上で、最終的に投資するかどうかは、その人の勝手、ですけどね。 追伸 私はそもそもFOF嫌いなので、その辺を割り引いて読んでくださいね。
先日、不正決算問題で揺れる日興CGの銘柄を一部のインデックスファンドが組入銘柄から除外したことについて、インデックス投資家の 水瀬さんや rennyさんのブログで議論が盛り上がっていました。 個人的には、インデックスファンドそもそもインデックスファンドは対象インデックスの全銘柄の買い持ちをするファンドではないので、組入銘柄の入替えを議論する意味があるのかな~と思っています。 他方で、今回の議論を通じてインデックス投資(パッシブ投資)を再認識し、 インデックス投資が普及するほど市場は非効率になるのではないかと思いました。その理由は次の2つです。 (1) インデックス投資家の増加=市場参加者の減少上記の議論では、結果として損害を被ることとなっても構わないので、インデックスファンドは勝手に組入銘柄を入れ替えるべきでないという意見が多く見られました。 もちろん、インデックス投資とはそういうものですが、インデックス投資家は、成長の見込めない企業の株式を売却したり、逆に、成長の期待できる企業の株式を買い増したりしませんから、価値と価格の調整弁としての機能を持ちません。つまり。市場参加者の合理的な判断によって市場が機能すると考えた場合、インデックス投資家は市場に存在していないのと同じなのです。 (2) 株式の流通量の減少に伴うボラティリティの増大インデックス投資家は(当該インデックスを売却しない限り)基本的に保有株式を売却しませんから、その分だけ市場で流通する株式の量が減少することになります。 モノの値段は需要と供給のバランスでりますから、理論上は、何らかの理由により当該企業の株式の需要が急増又は急減した場合、流通量が少ないほど値動きの上下のブレが大きくなることになります(実際、流動性の低い銘柄ほど値動きが激しくなる傾向があります)。 もっとも、現状は、そもそもインデックス投資の選択肢がほぼ皆無と言っても過言でありませんから、その弊害を懸念する以前の状態です。私も適当なインデックス商品がないため投資を見送っている国・地域がありますので、まずはインデックス投資の環境整備を期待しているところです。 ・・・・それに、アクティブ投資家としては、将来インデックス投資が普及して市場が非効率になったら、それだけチャンスが広がるわけですからね。そういう意味でも、インデックス投資が早く普及してくれた方が嬉しいかも、というのが今回のオチでした(笑)
先日、知人から、「投資信託の信託報酬の1~2%の差なんて大した問題ではないんじゃない?」と聞かれました。 確かに、1%ってあまりインパクトがないですよね。内閣支持率の1%なんて誤差の範囲内のような気もするし、近所の食品スーパーが 「全品1%引き!」という特売チラシを撒いても集客効果が期待できるとは思えません。 では、やっぱり信託報酬の1~2%の差なんて小さな問題なのか? いいえ。違います。 ファイナンスの入門書を読めば、年率1%の違いが将来的にどれくらいの差になるのか、グラフ付きで説明されています。あるいは、エクセルや電卓でちょっと計算してみるテもあります。 でも、それを書いても面白くありませんし、もっとシンプルな考え方があります。それは、 「儲けの何%が投信会社の取り分なのか?」という考え方です。 あなたはどうして投資信託を買うのか? ほとんどの人は、お金を増やしたいからだと思います。 それなら、いくら増えたのかを基準に信託報酬を考える方が素直だと思いません? 例えば、あなたは投資信託Aの購入を検討しています。 投資信託Aの信託報酬は1%、期待リターンは7%です。 もし10万円分購入し、期待どおりのリターンが達成されれば、7000円の儲けのうち1000円、儲けの約14.3%が運用会社の取り分となるわけです。 また、投資信託Aの信託報酬が2%だったら、投信会社の取り分は儲けの28.6%です。 さらに、投資信託のリターンが期待に反してたったの2%だったら、信託報酬が1%だったら儲けの50%、信託報酬が2%だったら儲けの100%が投信会社の儲けになるという計算です。 こう考えると、信託報酬の1%の差ってかなり大きな違いだと思えてきませんか? まあ、実際、信託報酬は年1回支払うわけではありませんし、すべて投信会社の懐に入るわけでもありません( 参考)。 なので、細かい点を気にすると、この記事はいろいろとツッコミどころがあるわけですが、それでも、物事はなるべくシンプルに考えた方がいいかな~と思います。
【頂戴したコメントを踏まえ、2007.1.21 11:00に修正しました】前回紹介したセゾン投信、注目度が高いようですね。 セゾン投信の詳細が明らかになるのは2月下旬なので、ファンドの組み入れ比率など分からないことも多いのですが、現在のところ、0.7%というセゾン投信の信託報酬が、組み入れファンドのコストを含むのか、含まないのかという点に関心が集まっているようです。 一般的には、組み入れファンドのコストを含めて信託報酬が0.7%なら魅力的ではないかという見方が強いようですが、果たしてそうでしょうか。私は、仮に組み入れファンドのコストが全部コミコミで0.7%だったとしても、セゾン投信は魅力的でないと考えます(0.7%の信託報酬が組み入れファンドのコストを含まない場合については 前回記事参照。) 具体的には、こういうことです。 さわかみファンドの信託報酬が1% バンガードの信託報酬が平均0.3% とした場合、10万円の投資資金をさわかみファンドとバンガードに半分ずつ投資したら、投資資金全体で負担する信託報酬は (5万円×1%+5万円×0.3%)/10万円=0.65 となります。 現段階ではセゾン投信の組み入れ比率が分かりませんが、セゾン投信の信託報酬は、セゾン投信の組み入れファンドの信託報酬より高くなることは明らかです。なぜなら、加重平均した信託報酬とセゾン投信の信託報酬の差がセゾン投信の利益となるからです。 それが0.1%なのか、0.05%なのかは分かりませんが、それがムダなコストであることに変わりはないと思います。 また、セゾン投信は、月々5000円から定期積立ができるようです。これを評価している人が多いけど、私の評価はむしろ逆で、これがセゾン投信の「儲けのカラクリ」ではないかと思っています。 上述したように、FOFの信託報酬は、その商品の性質上、組み入れファンドのコストの加重平均より高くなります。だから、十分な投資資金があり、かつ、各組み入れファンドに直接投資できる環境にあれば、セゾン投信に直接投資するより、各組み入れファンドに直接投資した方が安上がりです。 では、もし十分な投資資金がなかったら? 投資信託を使った資産形成では、ドルコスト平均法を用いた継続投資が一般的です。 さわかみファンドもバンガードも定評のあるファンドですから、両方とも継続投資したいけど、それだけの資金的余裕がない、という人は少なくないはず。そういう人にとって、毎月たったの5000円で、さわかみファンドとバンガードの両方に投資できるセゾン投信はとても魅力的に映るのだろうと思います。 しかし。ちょっと考えてみてください。 ドルコスト平均法は、取得価額を平準化する効果があるだけで、特に有利でも不利でもない。だから、毎月両方に投資するだけの資金的余裕がないなら、交互に投資するとか、数ヶ月おきに投資するとか、投資方法を工夫すればいいんです。 「ドルコスト平均法で投資するために」ちょっと余計なコストを負担するのは、本末転倒だと思いませんか? ・・・・と、ここまで書くと、「おいおい、バンガードは日本で売られていないんだから、仮に十分な投資資金があったとしても、お前が言っているような投資方法は無理だよ」と指摘される方もいると思います。 そのとおり。実はここからが本題です。 バンガードは現在、一部の証券会社でわずかなファンドが販売されているだけなので、本格的に投資しようとすると海外口座を開設する必要があります。しかし、英語スキルや維持コストを考えると、海外口座が合理的な選択肢とならない人の方が多いはず。そういう方にとって、セゾン投信が次善の選択肢となり得るかもしれません。 しかし、です。 いま考えるべきは、「どうしてバンガードは個人投資家に直接販売しないのか、あるいは、個人投資家がバンガードに直接投資できるような販路を開拓しないのか」ではないでしょうか。 いろいろな困難があるのでしょうが、やはり米国の独立系投信会社であるフィデリティは日本で直販していますから、バンガードにできないはずはないと思うのですが。 もし、ノーロードでの直販が困難なら、若干の販売手数料が生じたって構いません。私は個人的に さわかみファンドにはあまり投資したくないので、販売手数料が1%くらいだったら、ノーロードのセゾン投信ではなく、販売手数料を払ってでもバンガードのファンドに直接投資する方を選びます。同じように考える人は少なくないのではないでしょうか。 バンガードがセゾン投信で買えるようになるというのは、裏を返せば、少なくとも当面は、日本の投資家が直接バンガードに投資することはできないということ。 そんな訳で、今回のセゾン投信については、バンガードファンはむしろ怒ってもいいんじゃないかと思います。 ねえバンガードさん、他のFOFと提するより、個人投資家が直接購入できるようにするのが先じゃないですか?「セゾン投信なんていらない。」とはそういう意味です。 (追記) 「信託報酬にそんなに目くじらを立てる必要があるの?」という方に → 「投資信託の信託報酬をシンプルに考える」(関連記事) ○梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー「SAISON CARDのセミナー『新春特別企画 「あなたを輝かせる投資スタイル」資産形成セミナー』レポート」○rennyの備忘録「バンガードの本気を感じました/セゾン投信」○投信で手堅くlay-up!「セゾン投信始動?」○ファンド戦記「未だ道は険しい・・」○NightWalker's Investment Blog「セゾン投信とバンガード」
相互リンクしている 水瀬さんや rennyさんが取り上げている「セゾン投信」にちょっと一言。 (セゾン投信の概要については水瀬さんのブログ記事参照のこと) 現段階では詳細は不明ですが、セゾン投信はどうやら、さわかみファンドやバンガードのファンドを中心としたファンド・オブ・ファンズのようです。 しかし私は、ファンド・オブ・ファンズに対してとても否定的。 もしセゾン投信のポートフォリオが魅力的なら、目論見書(無料)を入手して、その投信と同じ配分でサブファンドに直接投資する方が絶対に有利。信託報酬(0.7%)の分だけリターンが向上します。そんなのfree riderじゃんという反論が聞こえそうですが、目論見書を見れば誰でも真似できるような代物に信託報酬を支払う方がどうかしています。 それと、ファンド・オブ・ファンズですから、信託報酬が0.7%と一見低く見えても、マスターファンドに投資した資金がサブファンドに再投資される際に、サブファンドの信託報酬(さわかみファンドなら1%)も事実上負担することになるんでしょう? それってやっぱりスマートとは思えない。 投信でゆっくり資産形成したい人は、何よりもコストを重視すべき。20~30年以上にわたって長期投資をするなら、マスターファンドに支払う信託報酬0.7%は大きな負担です。そもそも、セゾン投信が平均以上のパフォーマンスを上げる保障はどこにもないんだし。 「私はものぐさだから、信託報酬を0.7%余計に払っても構わない」なんて考えているなら、「経済的自由」への道は遠いと思った方がいいんじゃないかな。 (追記1) 「セゾン投信のトータルコストが0.7%だったら?」という方に → 「セゾン投信なんていらない。」「信託報酬の差なんて小さな問題では?」という方に → 「投資信託の信託報酬をシンプルに考える。」(追記2) セゾン投信の概要が判明したので記事にしました。 → 「ブランドとしてのバンガード やっぱりセゾン投信はいらない」(参考記事) 私はこちらの記事と同意見です。 ・ホンネの資産運用セミナー「セゾン投信は期待できるか?」そのほか、こちらも参考になります。 ・資産運用試行錯誤「セゾン投信が格安(?)投信発売へ」
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後でじっくり、読みたいと思います。レバレッジ君私が子ども手当を支持しない2つの理由お邪魔します。
思うに子ども手当の根底にあるのは「子供達のためだから」という「主観的な善意の絶対化」ではないでしょうか。それは「女性のため」という「選択的夫婦ブロガー(志望)私が子ども手当を支持しない2つの理由私も子供手当は反対です。理由は、今は景気回復に全力を尽くすべきだから
です。子供手当の経済波及効果は極めて低いです。福祉をやってる場合か?
今がどんな時期なのかこなつホテル・ルワンダ>あつまろさん
コメントありがとうございます。
フツ族とツチ族って、統治しやすいようにベルギーが体型や鼻の高さなどを基準に無理矢理2つに分けただけで、実際に空色ホテル・ルワンダホテルルワンダ、私も印象に残っている映画です。
ツチ族とフツ族は以前から小競り合いはあったと思いますが、
旧宗主国のベルギーがツチ族を優遇したことで、憎悪がわきあつまろ