先日、NHKで「
日本の、これから ダイジョーブだよね? 若者とニッポン」という番組が放送されていた。
「草食系」と評される現在の若者について、パネリストをはさんで、大人世代代表と若者世代代表が議論する、という番組。
番組のタイトルからして「大人世代」の視点で若者に批判的な番組構成だろうことは予想できたけど、仕事柄若者世代の意識に興味があったので観てみた。
番組を観ていて若者世代に感じた点は以下のとおり。
1.現状認識の甘さ
いちばん気になったのは、自分は現状に満足しているので仕事で頑張る必要はないという趣旨の発言をする人が少なくなかったこと。足るを知るのは大切だけど、現状に満足しているかどうかと仕事で頑張る必要がないかどうかは全くの別問題。
近年は経済のグローバル化や
日本国内の少子高齢化が進展しているので、将来的にはいま以上に海外と激しく競争していかなければいけないのは明らか。言ってみれば、我々はゆっくり流れる川の中にいるようなものなので、上流を目指す人はもちろん、現状維持でいいという人も(程度の差はあれ)流れに逆らって泳ぎ続けなければならないのは同じ。もし「いまのままでいい」と思って泳ぐのを止めてしまったら、段々と下流に流されてしまい、もとの場所には戻れなくなってしまう。
仕事と私生活のウェイト配分をどうするかは個人の自由だけど、もしかしたらウェイト配分の前提となる現状認識にちょっと問題があるんじゃないかなあと思った。
2.周囲に対する過剰な期待(甘さ)
もう一つ気になったのは、若者世代に問題があると思うならその改善のために大人世代が役割を果すべきだとか、大人世代が自分たちを育ててくれない・期待してくれないのでモチベーションが上がらないという発言をする人が少なくなかったこと。一方では、会社の人との付合いよりも私生活(趣味とか)を優先したいと言っていながら、他方では、自分たちに育ってほしかったら会社の人たちが手(目)をかけるべきだというのは、いささか虫が良すぎるんじゃないかと思った。
好意の返報性という言葉がここで適切かどうかは分からないけど、相手に構ってほしかったら自分からもっと積極的に関わるべきだし、自分から積極的に関わる気がないなら相手に何かを期待すべきでないんじゃないかな。もしかしたら、積極的に関わりたいけどその方法が分からない、ということなのかもしれないけど。
なお、誤解のないよう付言すると、上記の2点は、大人世代と若者世代を比較して若者世代に欠如していると考えた点、あるい は、若者世代に特徴的な点、ではない。単に番組を観ていて若者世代に感じたことを書いただけであって、同様のことが大人世代にも言えるかどうかは 問題にしていない。
個人的には、自分たちの価値観こそ正しいと考え、その価値観で理解できない若者世代の思考・行動を問題だとする大人世代もどうかなあとは思った。もしかしたら、そういった自分たちとは異なる価値観を理解できない硬直性こそが現状の閉塞感の原因だったりして。まあ、番組の中でも誰かが言っていたけど、大人世代と若者世代に本質的な違いがあるわけじゃなくて、大人世代が若者だった頃と現在では社会を取り巻く環境が大きく違うというのが本当のところなんだろうなあ。
(参考リンク)
・
pikarrrのブログ・
無臼 wave sight・
暇つぶし 実験・
ささやかな思考の足跡
後でじっくり、読みたいと思います。レバレッジ君私が子ども手当を支持しない2つの理由お邪魔します。
思うに子ども手当の根底にあるのは「子供達のためだから」という「主観的な善意の絶対化」ではないでしょうか。それは「女性のため」という「選択的夫婦ブロガー(志望)私が子ども手当を支持しない2つの理由私も子供手当は反対です。理由は、今は景気回復に全力を尽くすべきだから
です。子供手当の経済波及効果は極めて低いです。福祉をやってる場合か?
今がどんな時期なのかこなつホテル・ルワンダ>あつまろさん
コメントありがとうございます。
フツ族とツチ族って、統治しやすいようにベルギーが体型や鼻の高さなどを基準に無理矢理2つに分けただけで、実際に空色ホテル・ルワンダホテルルワンダ、私も印象に残っている映画です。
ツチ族とフツ族は以前から小競り合いはあったと思いますが、
旧宗主国のベルギーがツチ族を優遇したことで、憎悪がわきあつまろ