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廣宮孝信著「国債を刷れ!」 2009.11.28
テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済
先日Twitterで見かけた廣宮孝信著「国債を刷れ!」を読みました。本書の概要は以下のとおりです。
○日本が重視すべきはプライマリーバランスより「実質所得の増加率」である。
○実質所得を重視するためには福祉政策、公的部門の拡大など財政支出の増加によりGDPを成長させる必要がある。
○政府支出はGDPの大きなウェイトを占めているので、政府支出を増加させなければGDPは成長しない。
○政府支出の財源には国債を充てればよい。国債残高(国債残高/GDP比率)が大きくなると国家が破綻するというのは大ウソである。
○政府支出の拡大によりGDPが成長すれば、国債残高/GDP比率が小さくなるので、財政の健全化にもつながる。
○大量に刷った国債は日銀が引き受ければ良い。日銀が国債を引き受ければ、政府が国債利息とほぼ同額が法人税・国庫納付金として政府に戻ってくるので、事実上調達コストが0になる。
である。
○日銀の国債直接引受けにより通貨供給量が大幅に増えると悪性インフレが懸念されるが、日本は現在デフレであるし、ジンバブエのような国と違って供給力が需要を上回っているので、通貨供給量が大幅に増えても悪性インフレは起こらない。
○したがって、日銀の直接引受けにより国債を大量発行し、政府支出を拡大するべきである。
個人的には、読んでいて違和感を覚えました。
プライマリーバランスを重視するあまりに必要な政府支出を削減するよりも積極的かつ効果的な政府支出を通じてGDPを成長させるべき、という意見には賛同します。
しかし、著者の主張は、政府が自由に通貨を発行できるようにすべきと言っているのと同じで、そもそもどうして世界の多くの国家で、中央銀行という政府とは独立した機関が通貨発行をコントロールするようになったのかという点についての考察が足りないように感じられます(本書では、その点についての考察もなされてはいますが。)。
本書では通貨発行益(著者によると発行通貨の額面価格―印刷コスト)があるので通貨を発行すればするほど国が儲かるという考え方も示されていますが、通貨発行益をそのように認識することにも違和感があります。
悪性インフレが起こらないとする理由についても、現状がデフレだからというのは理屈になっていない気がしますし、通貨を大量発行しても需要に応えられるだけの供給があればインフレは起こらないという意見についても、日本円に対する信任が損なわれるようなことになればインフレが起きてしまうような気がします。
著者は本書の中で自信の主張する積極財政策をケインズ派、構造改革政策をマネタリストと位置付け、過去の成功例(高橋是清やルーズベルト大統領)を引合いに積極財政策の正当性を訴えています。
しかし、いまどきケインズ派もないでしょうし、構造改革政策=マネタリストというくくりも個人的にはどうなのかぁと思います。
個人的には、現在の日本経済の状況をかんがみると、日銀の国債直接引受けと国債の大量発行という選択肢も考えざるを得ないのかなとも思いますが、それはあくまで禁じ手であって、著者のように国債の大量発行こそが正しい道というような考え方には最後までなじめませんでした。
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(参考URL)
○「中央銀行と通貨発行を巡る法制度についての研究会」報告書(PDF)
○日本経済研究センター
○富士通総研
○本石町日記
○ハリ・セルダンになりたくて
山本七平「空気の研究」 2009.10.26
以前から面白い本だと聞いていたので、先日、図書館で借りてきた。思っていたよりも古い本でびっくり。初版が1983年だから、もう25年以上も昔の本。でも、内容は全然古くなかった。
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本書は、日本人の意思決定を拘束している「空気」とは何かを研究した本。
本書のテーマは以下の3つ。
○「空気」とは何か。空気はどのように発生し、どのように作用するのか。
○「空気」を崩壊させる「水=通常性」とは何か。
○どうして日本人は「空気」によって意思決定を拘束されているのか。
第一に、本書では、「空気」とは、一定の状況下で生じている精神的な空気・雰囲気であり、日本人は論理的思考や科学的データではなく「空気」に従って意思決定をしていると主張しています。
確かに、「あのときの『空気』ではああせざるを得なかった」「あの会議の『空気』ではそんなことはとても言い出せなかった」といった言葉に代表されるように、ある特定の状況下での「空気」のせいで、望ましい言動ができなかったり、望ましくない言動をしてしまったりする例はよく見られます。私は、それはごく当然のことだと考えていましたが、筆者によれば、それは明治以降の日本に特徴的に見られる傾向なのだそうです。
また、「空気」とは、特定の物事について、対立概念を用いて相対的に把握するのではなく、過度の感情移入によって絶対化する(筆者の言葉では「臨在感的に把握する」)ことによって発生するのだそうです。例えば、二国間の戦争において、両方の国それぞれについて善悪の要素を認めるのが相対的な把握であり、一方を善、一方を悪と決めつけてしまうのが臨在感的な把握ということです。
そして、いったん「空気」が発生してしまうと、特定の物事について論理的・相対的に考えることが困難となり、最終的に「空気」に沿った結論が導かれてしまうということです。
第二に、筆者は、物事の臨在感的な把握は日本の伝統に基づくものだとしつつ、明治より前の時代では「空気」に負けることを恥とする文化があり、「水を差す」ことによって「空気」を崩壊させるという対策を採っていたとしています。ここでいう「水」とは現実のことです。つまり、何らかの「空気」が生まれたときに、皆が忘れかけていた現実を思い出させることによって「空気」を崩壊させることが筆者の言う「水を差す」ということのようです。
他方で、筆者は、日本では、誰かが「水を差す」かどうかにかかわらず、毎日「雨」のように降り注ぎ、すべてのものを現実に即して変容させていくと主張しています。筆者によれば、仏教も、儒教も、共産主義も、長い年月の間に日本的な概念が多く取り入れられて、オリジナルとはかなり違ってきているとのことです。
そして、筆者のいう日本の「現実」とは、「父と子の騙し合いの社会」「情況倫理の働く社会」です。もう少し具体的に言えば、「父と子の騙し合いの社会」とは、本音と建前を分け、本音を口にすることをタブーとする社会、「情況倫理の働く社会」とは、情況に応じて価値判断が変わる社会、つまり「あの情況ではああせざるを得ない(だから我々に責任はない)」と考える社会」のことです。
つまり、「水を差す」ことによって「空気」を崩壊させることができるものの、そのときに差す「水」は「空気」の存在・支配を前提としているので一定の限界がある、ということのようです。
第三に、どうして日本人が「空気」によって意思決定を支配されているかというと、日本人は言語を用いて未来を論理的に構成することができないからだそうです。
どういうことかというと、多神教の日本人は、論理的に矛盾する物事も「それはそれ、これはこれ」として受け入れてしまうため、物事を臨在感的に把握することはできても、言語を用いて未来を論理的に構成することができないのだそうです。
正直、私にはちょっと難しかったので、著者の主張をどれほど理解できたのかは我ながら疑問です。
ただ、小泉政権以降の政治状況等をみても、日本は依然として「空気」に支配されていると思いますし、それではいけないと思います。そういうことを深く考えさせられた1冊です。ぜひ一読をお勧めします(そして私に分かりやすく説明してください....)。
Twitter はじめました (Twitterの魅力) 2009.10.17
昨日からTwitterはじめました。Twitterについては、イランやアメリカでの例などを聞いていたので前から興味はありましたが、いまいちメリットや魅力が分からず手を出さないままになっていました。そんな折、昨日のNHKニュースでTwitterが紹介されていたのを見て、「いい加減に始めた方がいいかな」と思って始めてみることにしました。
で。
思っていたより面白いです。意外とはまってしまいそう。
私の思うTwitterの魅力は、気楽さと速報性、それに公平さです。
まず気楽さについて。
遅筆な私はブログの記事を1つ書くにもかなりの時間がかかってしまうんですが(更新が少ないのはひとえにそのせいです....)、Twitterだと140文字しか書けない分、思いついたことをそのまま投稿できてしまう気楽さがあります。
次に速報性について。
Twitterdもブログと同様、他のユーザーの投稿を検索できますが、Twitterの場合はキーワードに関連した投稿が新しい順に表示されるので、検索結果がとてもタイムリーです。例えば、いまこの時間にTwitterで「楽天」と検索したら、検索結果のほとんどは今日の楽天イーグルスの試合結果関連だと思います(面倒くさいのでいちいち検証はしませんが。)。
Twitterについては以前から「情報が一番早い」と聞いていましたが、実際に使ってみてその意味がよく分かりました。
最後に公平さについて
通常のブログやウェブサイトを検索すると人気や重要性が高い(と評価されている)ものから順に表示されますが、Twitterを検索すると投稿の新しい順に表示されます。ブログやウェブサイトは、googleの検索でそこそこ上位に表示されないとあまり他人の目に触れる機会がなかったりしますが、Twitterではそういうことはありません。検索で表示されるかどうかという点に限ってみればTwitterの方が公平に機会が与えられている気がします。
(だからTwitterの方が優れている、とは思いませんが....)
また、私の場合は、英語の勉強を兼ねて、英語でつぶやいていますが、文字数が制限されているのでシンプルな文法・単語でも全然おかしくないので、ブログと比べて投稿のハードルが低いです。
また、英語で検索すると、世界中のいろんな人たちが「いま、どこで何をやっているのか」がリアルタイムで分かったり、逆に、国も言語も違うFollowerが自分の投稿を読んでいるのが分かったりと、とても面白いです。
しばらくハマりそうな予感がします。。
※sorairo という名前でやっているので、よかったら見にきてください。
英語学習のその後 2009.10.09
今年7月に受けたTOEICの結果が散々だったので、最近、英語の勉強方法を見直した。(1) 英語多読のやり直し
英語多読では、読む洋書の難易度よりも読書スピードを重視することが大切だとされている。僕の場合、最初の頃こそ英語多読の教えに従って、簡単な洋書を読むようにしていたんだけど、しばらくすると、難易度の低い洋書を読んでもあまり英語力は向上しないんじゃないかと思うようになり、その後は割と自分の英語力よりも多少難易度の高いものを読むようになっていた。でもその結果、学生時代の長文読解と変わらなくなってしまい、いまいち英語多読の効果が実感できていなかった。
今年7月にTOEICを受けてみて、リーディング力があまり向上していないことが分かったので、もう英語多読はやめようかと考えて英語学習者向けのサイトやブログでリーディング力向上に効きそうな学習方法を探したところ、自分の英語力よりも低いレベルの洋書を速読する(ネイティブが会話するのと同じ分速150語以上のスピードで読む)のがよいという指摘が結構あった。
この指摘って英語多読の基本と一緒。やっぱり、読書スピードが十分な早さに達しないうちに難易度の高い洋書に手を出してしまったのがよくなかったようなので、最近はまた難易度の低い本に戻り、できるだけ速く読むよう練習している。今回はしばらく我慢して難易度の低い本で頑張るつもり。
(2)dictationとshadowing
dictation (ディクテーション)とは、英語の文章を耳で聞いて書き取ること。あちこちのサイトやブログで、英語力向上のためにはdictationとshadowing (シャドウィング)は欠かせないとされていたので、さっそくやってみることに。
以前からpodcastでVOA Special Englishなどを聞いていて、自分ではそれなりに聞き取れているつもりだったんだけど、実際にdictationをやってみると、意外と聞き取れていない箇所が多くってちょっとびっくり。
5分ぐらいの番組でも、全部を書き取るまでには1時間くらいかかり、その間集中して同じ文章を何回も繰り返して聞くのでとても疲れるんだけど、何度も繰り返すうちに聞き取れる部分が多くなるのでやっていて楽しい。
僕の場合、dictationが終わった後に、同じ番組を何度もshadowingしている。以前はpodcastの同じ番組を繰り返して聞くのはせいぜい4〜5回だったけど、今は最低20回は繰り返し聞いている(その代わり、聞く番組数は減ったけど。)。そのせいか、ある番組のdictationとshadowingが一通り終わる頃には、最初のときと比べてよく聞き取れるようになっているし、多少は滑らかに喋れるようになっている気がする。
とても大変だけど、きちんと続けていくと英語力が飛躍的に伸びそうな気がして、いまはdictationがちょっとしたマイブーム。
ところで、これまではもっぱらVOA Special Englishを聞いていたんだけど、自分としてはイギリス英語の方に重点を置いているので、できればイギリス英語のpodcastがほしかった。これまではBBCやThe Economistの早口なニュース番組しか知らなかったんだけど、最近、BBCの学習者向け番組であるLearning Englishを発見。最近はこの中のWords in the Newsという番組をよく聞いている。こちらは番組が1分と短く、週に3回ほど更新され、語彙のガイダンスもあるので非常に便利。VOAの方が話すスピードがゆっくりなのでdictationのとっかかりとしては最適なんだけど、いつかはネイティブスピードに慣れなきゃいけないからね。
新生銀行の仕組預金 2009.09.19
当該預金では、預金金利が年利1%(単利)であり、購入後5年を経過した時点で、預入期間を3年間延長するか、預金が払い戻されるかが決まることとなっていました。
私の場合、今年5月がその期限となっていたので、預金が払戻となることを密かに期待していましたが、案の定(?)、預入期間が3年間延長されることとなってしまいました。
仕組預金は、外見上、預金金利が通常の普通預金・定期預金よりも高い点で魅力的に見えますが、中途解約すると元本が保証されないといった流動性の乏しさを考慮すると、あまり魅力的とはいえない金融商品だと思います。当時は金融知識が不足していたのでこうした仕組預金を購入していまいましたが、現在であれば、仕組預金を購入することはまずないと思います。もし買うとしたら、個人向け国債ですかねえ。




現代にはそぐわない感覚なのかもしれないのに、いまだに僕らの意思決定をガッチリ縛る拘束力があるのは、なんとも根が深いtogawa山本七平「空気の研究」ご紹介の本は読んでいませんが、同じ著者の「日本資本主義の精神」って本がおもしろかったです。こっちも楽しめると思います。まろ英語学習のその後低いレベル,について.
書き方が悪かったですね.自分はスターターレベルからはじめて,現在レベル2〜3を読んでいるところです(penguin, oxford, macmillanです).
レboshi英語学習のその後コメントありがとうございます。> s なか さん
リンク先拝見しました。便利そうだし値段も手頃ですね。僕はたぶん買わないと思いますが....
> boshi さん
低いレベルってどれくらいですか空色英語学習のその後参考になるかな?洋書多読約50万語のboshiです.
レベルの低いGRしか読んでいませんが,それでも,なんといいますか…,脳内の英語関連シナプスのネットワークが密になったような感じで,今boshi